トゥーリー

トゥーリー：アメリカ競馬史に輝く名牝

トゥーリー (Two Lea) は、アメリカで生まれ育ち、競走馬そして繁殖牝馬として大きな成功を収めたサラブレッドです。1946年、名門カルメットファームで、種牡馬ブルリーとケンタッキーオークス優勝馬トゥーボブを両親にもつ良血を受け継いで誕生しました。

競走馬としてのキャリアは、蹄の腫瘍による初期の苦戦を乗り越え、3歳時に開花しました。数々のステークス競走で勝利を重ね、同世代の強豪、ウィストフルと並んで最優秀3歳牝馬の栄誉に輝きます。クレオパトラハンデキャップ制覇や、アートフルステークスでのコースレコード更新など、その勝利の質も高く評価されました。

4歳時には牡馬との対戦にも果敢に挑戦。サンタアニタマーチュリティでケンタッキーダービー馬と、サンタアニタハンデキャップで三冠馬サイテーションと対戦するなど、強豪相手に健闘を見せました。牡馬相手に勝利こそ挙げられませんでしたが、この年の活躍により、最優秀古牝馬に選出されています。

その後、長期間にわたる脚部不安による休養を挟みますが、6歳で復帰。ヴァニティハンデキャップで再びウィストフルを破り、ハリウッドゴールドカップでは牡馬相手に優勝するなど、衰えぬ実力を見せつけました。

競走馬引退後は、繁殖牝馬として新たな成功を収めます。8頭の仔を産み、そのうち3頭がステークス競走を制覇しました。中でも、ティムタムは1958年のアメリカ二冠馬となり、トゥーリーと親子二代でアメリカ競馬殿堂入りを果たしています。さらに、オンアンドオンは種牡馬として成功を収め、その子孫には多くの優秀な競走馬がいます。日本のクラシック競走を制したセイウンスカイにも、その血が受け継がれているのは興味深い事実です。

トゥーリーは1973年に27歳でその生涯を閉じましたが、その輝かしい功績は、アメリカ競馬史に深く刻まれています。1982年にはアメリカ競馬名誉の殿堂博物館に殿堂入りを果たし、その名声は現在もなお語り継がれています。20世紀のアメリカ名馬100選にも選ばれており、その偉大さは揺るぎないものと言えるでしょう。

競走成績のハイライト

1948年（2歳）：3戦1勝
1949年（3歳）：7戦6勝（プリンセスドリーンステークス、クレオパトラハンデキャップ、アートフルステークスなど）
1950年（4歳）：5戦2勝（サンタマルガリータハンデキャップ、アーカディアハンデキャップなど）
1952年（6歳）：11戦6勝（ヴァニティハンデキャップ、ハリウッドゴールドカップ、ラモナハンデキャップなど）

受賞歴

1949年：最優秀3歳牝馬（ウィストフルと同時受賞）
1950年：最優秀古牝馬
1982年：アメリカ競馬名誉の殿堂博物館殿堂入り
1999年：ブラッド・ホース誌選出20世紀のアメリカ名馬100選（77位）

トゥーリーは、卓越した競走能力と優れた繁殖能力を併せ持った、まさに伝説的な名牝でした。その功績は、現代の競馬界にも大きな影響を与え続けています。

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