ニエル賞

ニエル賞について

ニエル賞（Prix Niel）は、フランスギャロが主催し、パリロンシャン競馬場の芝2400メートルで行われる平地の重賞競走です。この競走は、グループ制において1987年からG2に分類されており、出走する条件はサラブレッドの3歳馬に限定されています。また、凱旋門賞の3週間前に行われることで知られ、重要なトライアルレースとしての位置づけを持っています。

歴史の概要

ニエル賞は1952年に創設され、当初は3歳以上のサラブレッドが出走していました。この年、シャンティイ賞（Prix de Chantilly）として名付けられ、ロンシャン競馬場で施行されました。設立当初は、施行距離が2300メートルに短縮された後、1955年からは凱旋門賞の前哨戦として位置付けられ、3歳限定の2400メートルでの競走に変更されました。

1971年にはグループ制が導入され、競走はG3に格付けされると同時に、現在のニエル賞という名称に改称されました。その後、1979年には施行距離も凱旋門賞と同じ2400メートルに再び統一され、これによってより一層重要性が増しました。1987年からはG2に昇格し、連続して優勝した騎手や調教師により、ニエル賞の名声は高められていきました。

出走条件と賞金

ニエル賞にはサラブレッドの3歳馬のみが出走可能であり、2023年度時点での総額賞金は13万ユーロです。優勝馬には7万4100ユーロが授与され、2着、3着、4着、5着にもそれぞれ賞金があるため、競馬ファンやオーナーたちはこのレースに大きな期待を寄せています。

ニエル賞と凱旋門賞

凱旋門賞は世界的に有名な競馬レースであり、ニエル賞はその重要な前哨戦とされるため、優勝馬が凱旋門賞で成功を収めることが期待されています。しかし、近年の傾向として、ニエル賞の優勝馬が直接凱旋門賞で勝利を収めることは少なくなっています。2006年にレイルリンクが優勝するまで、この競走からの凱旋門賞勝ち馬が登場していなかったことは、厳しい競争の現実を表しています。

記録とエピソード

ニエル賞では、様々な名馬が歴史を刻んできました。レースレコードは2007年のソルジャーオブフォーチュンが持っており、2:25.60というタイムでフィニッシュしました。騎手としては、イヴ・サンマルタンとフレディ・ヘッドがそれぞれ4勝を挙げており、両者はこの競走の歴史に名を刻んでいます。また、アンドレ・ファーブル厩舎は最多勝調教師として10勝の記録を保持しており、彼のもとで育った名馬たちが数々の栄誉に輝いてきました。

ニエル賞は、その深い歴史と重要性ゆえに、観客や競馬ファンにとっても注目の的です。今後もこの競走からの新たなチャンピオンたちが現れることを期待しています。

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