イヴ・サンマルタン

イヴ・サンマルタン：フランス競馬史に輝く伝説の騎手

イヴ・サンマルタン (Yves Saint-Martin, 1941年9月8日生まれ) は、フランス競馬史上にその名を刻む伝説的な騎手です。1958年のデビューから引退まで、類まれな才能と卓越した技術で数々の栄光を掴みました。その華麗なキャリアと、引退後の生活、そして家族について詳しく見ていきましょう。

輝かしい現役時代：15度のリーディングジョッキー

サンマルタンは1958年7月26日、華々しいデビューを飾ります。その後、毎年のように素晴らしい活躍を見せ、1960年には早くもフランスリーディングジョッキーの称号を獲得しました。さらに、1962年から1969年にかけては8年連続でリーディングジョッキーの座を独占。その後も1973年から1976年、そして1981年と1983年にもリーディングジョッキーに輝き、そのキャリアを通じて計15回ものリーディングを獲得するという、前人未到の偉業を達成しました。

その勝利数は、フランスダービー'>[フランス]]国内だけで3275勝、国外の競走を含めると3314勝に及びます。フランス競馬の最高峰、凱旋門賞では4度の優勝を経験しており、これは歴代2位タイの記録です。また、ジョッケクルブ賞]では9勝を挙げ、グループ1競走における[[フランス最多勝記録も保持しています。

特に注目すべきは、1962年のワシントンD.C.インターナショナルでの優勝です。当時最強馬と謳われたケルソや、アメリカ二冠馬キャリーバックといった強豪を相手に、サンマルタンはマッチに騎乗し、見事勝利を収めました。この勝利は、サンマルタンの国際的な地位を確立する大きな転機となりました。

名馬との出会い：数々の名馬に騎乗

サンマルタンは、多くの名馬に騎乗し、数々の伝説的なレースを制覇しました。その中には、凱旋門賞優勝馬サガス、ジョッケクルブ賞優勝馬ダルシャーン、ラストタイクーンなど、競馬史に名を残す名馬が数多く含まれています。それぞれの競走馬とのエピソードや、勝利の瞬間は、競馬ファンの間で語り継がれる数々の名場面です。以下に、サンマルタンが騎乗した主な競走馬とその主な勝鞍を挙げます。

マッチ (Match): ワシントンD.C.インターナショナル、サンクルー大賞典など
レルコ (Relko): プール・デッセ・デ・プーラン、ダービーステークス、ガネー賞など
ゼダーン (Zeddaan): ロベールパパン賞、イスパーン賞など
アレフランス (Allez France): 凱旋門賞、ディアヌ賞、ガネー賞など
ポーニーズ (Pawneese): オークス、ディアヌ賞、キングジョージ6世＆クイーンエリザベスダイヤモンドステークスなど
アカマス (Acamas): リュパン賞、ジョッケクルブ賞など
サガス (Sagace): 凱旋門賞、ガネー賞など
ダルシャーン (Darshaan): クリテリウムドサンクルー、ジョッケクルブ賞など
ラストタイクーン (Last Tycoon): ブリーダーズカップ・マイルなど
ナトルーン (Natroun): ジョッケクルブ賞など

引退後と家族

引退後は、ヴィンテージカーのコレクションに情熱を注ぎ、マセラティ、フォード・マスタング、ロールス・ロイス、アストンマーティンなど、数々の名車を所有しています。

サンマルタンには、妻のスージー・ヴォルテラと、騎手としてフランスや香港で活躍する息子エリック・サンマルタンがいます。息子のエリックもまた、父譲りの才能を受け継ぎ、競馬界で活躍しています。

サンマルタンの功績と影響

イヴ・サンマルタンの功績は、数々の勝利や記録だけにとどまりません。彼の卓越した騎乗技術、そして数々の名馬との出会いを通して築き上げたレガシーは、フランス競馬界、そして世界の競馬界に大きな影響を与え続けています。彼の名前は、永遠に競馬史に刻まれるでしょう。

参考文献

Saint-Martin, Yves & Francois, Jean-Michel. Au galop (1986) Broche ISBN 978-2221043684
Best in the World - 1962年11月23日 『タイム』誌による、イヴ・サンマルタンと1962年度ワシントンD.C.インターナショナルに関する記事
* 日本中央競馬会『優駿』 1988年1月号

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