ニューシネマワークショップ

ニューシネマワークショップ

ニューシネマワークショップ（略称：NCW）は、映画業界で活躍する人材の育成を目的として、1997年に設立された教育機関です。東京都渋谷区に拠点を構え、映画を「つくる」側である映画監督や脚本家を目指す人々と、完成した映画を観客に「みせる」側、すなわち配給や宣伝といった分野に携わりたい人々、双方に向けた専門的なワークショップを提供している点が大きな特色です。

NCWのカリキュラムは、毎年4月から始まるコースと10月から始まるコースがあり、それぞれ約半年間で集中的に学びます。主なカリキュラムとして、以下の二つのコースが設けられています。

［つくる］コース

このコースは、映画監督や脚本家を志す人々を対象としています。基礎を学ぶベーシッククラスと、より実践的なアドバンスクラスがあり、いずれも週に一度の講義を中心に半年間学んでいきます。特にアドバンスクラスを修了した受講生は、NCW内の「制作部」に所属することが可能となり、修了後も継続的に映画制作に関するサポートを受けられる環境が整っています。また、受講生や卒業生の作品を劇場で上映する独自の映画祭「MOVIES-HIGH（ムビハイ）」を開催し、作品発表の機会を提供しています。

このコースからは、多数の著名な映画監督や脚本家が輩出されています。主な卒業生とその代表作品の一部は以下の通りです。

深川栄洋（1999年修了）：『白夜行』『神様のカルテ』『ドクター・デスの遺産-BLACK FILE-』『法定遊戯』
森義隆（1999年修了）：『ひゃくはち』『宇宙兄弟』『聖の青春』『パラレルワールド・ラブストーリー』
吉野竜平（2003年修了）：『スプリング、ハズ、カム』『君は永遠にそいつらより若い』『ファンファーレ』
今泉力哉（2005年修了）：『愛がなんだ』『窓辺にて』『ちひろさん』『アンダーカレント』『からかい上手の高木さん』
飯塚俊光（2008年修了）：『独裁者、古賀。』『ポエトリーエンジェル』『踊ってミタ』
中川駿（2012年修了）：『尊く厳かな死』『カランコエの花』『少女は卒業しない』『か「」く「」し「」ご「」と「』
石橋夕帆（2012年修了）：『左様なら』『朝がくるとむなしくなる』
佐藤快磨（2012年修了）：『ガンバレとかうるせぇ』『泣く子はいねぇが』
野本梢（2013年修了）：『透明花火』『愛のくだらない』
川崎僚（2014年修了）：『SEASONS OF WOMAN』『Eggs 選ばれたい私たち』
葉名恒星（2018年修了）：『愛うつつ』『きみとまた』
東かほり（2018年修了）：『ほとぼりメルトサウンズ』『とりつくしま』
生方美久（2020年修了）：『silent』『いちばんすきな花』『海のはじまり』

［みせる］コース

このコースは、映画の配給や宣伝、興行などに携わる仕事を目指す人々を対象としています。こちらもベーシッククラスとアドバンスクラスがあり、週1回または2回の講義を半年間受講します。アドバンスクラス修了者はNCW内の「配給部」に所属することができ、映画業界への就職や転職に向けた求人情報の提供などのサポートを受けることができます。

「みせる」コースの卒業生もまた、映画業界の様々な分野で活躍しており、多くの卒業生が主要な配給会社や宣伝会社などでキャリアを築いています。主な就職実績として挙げられる企業は以下の通りです。（2024年11月時点の情報より）

アスミック・エース
映画.com
HJホールディングス（Hulu）
KADOKAWA
ギャガ
松竹
ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
東映
東京テアトル
TOHOシネマズ
東宝
東宝東和
日活
フラッグ
WOWOW
* ワーナー ブラザース ジャパン

このように、ニューシネマワークショップは、映画の誕生から観客へ届けられるまでの一連のプロセスに関わる人材を育成するための、実践的かつ専門性の高いプログラムを提供し続けています。運営はフラッグ株式会社が行っています。

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