ネステ

ネステについて

ネステ（Neste Oyj）は、フィンランドのエスポーに本社を構えるエネルギー企業です。この会社は、石油精製、天然ガスの採掘、石油化学製品の製造をはじめ、再生可能エネルギーやバイオ燃料の事業にも幅広く展開しています。現在、ネステは世界10カ国以上で事業を展開し、ナスダック・ヘルシンキに上場しています（Nasdaq Nordic NESTE）。

沿革の概要

ネステは1948年1月に設立され、その当初の目的はフィンランド国内での石油供給の安定を図ることでした。最初は国営会社「ネステ石油」としてスタートし、1950年代から60年代にかけての需要の増加に対応するために、複数の製油所を建設しました。また、この期間中に天然ガスの採掘も始まりました。

1995年には株式上場を果たし、1997年にはイマトラ電力と合併することで、「フォータム」という石油電力会社が形成されました。しかし、2005年に再び分離し、「ネステ石油」としての姿を取り戻しました。2010年代には、廃棄物を原料とした再生可能エネルギーやバイオ燃料事業に力を入れるようになり、2011年にはシンガポールで世界最大級の再生可能ディーゼル精油所を稼働させました。同年にはオランダのロッテルダムでも同様の精油所を開始しました。

その後、2015年4月1日には企業名を「ネステ石油」から「ネステ」へと変更し、再生可能エネルギーやバイオ燃料を主要な事業と位置付けました。

国内外の展望

ネステはフィンランド国内にポルヴォーとナーンタリという二つの石油精製所を有しており、国内ではガソリンスタンド運営の最大手としての地位を保持しています。また、バルト三国やロシア北西部でもガソリンスタンドを展開しています。ポーランドでのガソリンスタンド事業は2013年にロイヤル・ダッチ・シェルに売却しました。

ビジネスの観点から見ると、収益の約50%は石油精製および石油化学関連から来ており、ガソリンスタンド運営と再生可能エネルギー関連は各25%を占めています。また、売上の地域別分布では、北欧やバルト海地域が約60%を占めており、西ヨーロッパ諸国や北米も多くを占めています。フィンランド国内では主に石油精製やガソリンスタンドの運営に重きを置いている一方で、再生可能エネルギー分野は国際的なビジネスが中心となっています。なお、フィンランド政府が株式の約35%を保有しています。

スポンサーシップと国際関係

ネステは1994年以降、北欧最大のモータースポーツイベントであるラリー・フィンランドのスポンサーとして活動しています。

さらに、日本との連携も強化しており、2020年10月には全日本空輸と戦略的提携についての合意書を結びました。この提携により、ネステのシンガポール製油所から供給される持続可能な航空燃料を日本の航空便で利用することが計画されています。

以上のように、ネステは伝統的なエネルギー産業を基盤に、環境に配慮した事業モデルへと進化を遂げている企業です。

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