ネモフィラ

ネモフィラ：可憐な花とその魅力

ネモフィラ（学名：Nemophila）は、ムラサキ科ネモフィラ属に分類される植物の総称です。北アメリカ西部原産で、牧草地や草原、森林の木陰などに自生しています。細かく分裂した葉と、横に広がるように成長する性質が特徴です。

特徴

ネモフィラは、その美しい花で知られています。花期は春で、青、白、紫など、様々な色の花を咲かせます。特に、瑠璃色の花を咲かせるルリカラクサ（Nemophila menziesii）は、ネモフィラの代表的な品種として広く親しまれています。横に広がる性質から緑化植物としても利用され、ハナビシソウ、リナリア、リムナンテス、ギリアなどと混植すると、4月ごろに美しい花壇を作ることができます。

地面がない場所では下垂しながら成長するため、ハンギングバスケットやコンテナの縁に植え付けるのにも適しています。苗は年始頃から市場に出回り始めます。草姿がリムナンテスやアグロステンマと似ています。

ネモフィラは1月28日、2月21日の誕生花であり、花言葉は「可憐」「貴方を赦す」「何処でも成功を」などがあります。色別の花言葉もあり、青色の花は「貴方を赦す」「清々しい心」、黒色の花は「愛国心」「荘厳」、白色の花には「成功」という意味が込められています。

栽培方法

ネモフィラの種まきは、秋頃に行います。種子は嫌光性種子なので、覆土はしっかりと行いましょう。ネモフィラは直根性で移植を嫌うため、花壇やコンテナ、プランターなどに直接種をまくのがおすすめです。発芽後は、土の乾燥に注意しつつ、過湿にならないように管理します。日当たりが良く、冷涼な環境を好みます。寒冷地では春まきも可能ですが、-5℃以上を確保するようにしましょう。肥料は少なめに与えます。耐暑性に乏しいため、日本では一年草として扱われることが一般的です。

主な品種

ルリカラクサ (Nemophila menziesii)

ネモフィラの代表的な品種で、鮮やかな瑠璃色の花を咲かせます。英名ではbaby blue eyesと呼ばれ、世界中で広く栽培されています。花の中心部が白いのが特徴で、花壇のアクセントとしても人気があります。
*スノーストーム (Nemophila menziesii var. atmaria ‘Snowstorm’)

白い花を咲かせる品種で、花弁の内側に紫～黒色の小さな斑点が入ります。
*プラチナスカイ (Nemophila 'Platinum Sky')

葉がアサギリソウやシロタエギクのように白色～銀色になる品種で、寄せ植えに使うと美しいコントラストを生み出します。
*ペニーブラック (Nemophila menziesii var. discoidalis ‘Penny Black’)

ルリカラクサの変種で、花弁は白色に縁どられ、花色は濃い紫色になる小型の品種です。
*モンカラクサ (Nemophila maculata)

カリフォルニア州の固有種で、白色の花弁の外側に紫の斑点が入るのが特徴的な種です。英名ではFive spotと呼ばれます。花茎は3cmほどで、ルリカラクサよりも若干大きい花を咲かせます。

その他の野生種

Nemophila aphylla
Nemophila spatulata
Nemophila parviflora
Nemophila phacelioides
Nemophila pulchella
Nemophila breviflora
Nemophila heterophylla
Nemophila pedunculata

名前について

属名のNemophilaは、nemos（小さな森）とphileo（愛する）の合成語で、ネモフィラの生育環境にちなんでいます。その名の通り、ネモフィラは森の中の陽だまりなどに群落を作って自生することが多いです。

ネモフィラはその美しい花姿で、多くの人々を魅了し続けています。春のガーデニングには欠かせない、人気の植物と言えるでしょう。

関連項目

国営ひたち海浜公園：広大なネモフィラ畑で有名です。

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