バイオジェン

バイオジェンについて

バイオジェン（Biogen Inc.）は、アメリカ合衆国マサチューセッツ州ケンブリッジに本社を置く医薬品メーカーです。バイオジェンは、神経疾患、自己免疫疾患、希少疾患を主な対象として、新たな治療法の開発から製造、販売まで多岐にわたる業務を行っています。特に、バイオテクノロジー分野では最古参の企業の1つとして知られています。

沿革

バイオジェンの歴史は1978年に始まります。当時、スイスのジュネーヴで科学者たちと3名の投資家が共同で創薬会社Biogen NVを設立しました。創業者の中には、著名な科学者であるウォルター・ギルバートやフィリップ・シャープなどが名を連ねています。1982年には、マサチューセッツ州ケンブリッジに新たな本社を設置し、1983年にはNASDAQに上場を果たしました。

2003年、バイオジェンはアイデック製薬（Idec Pharmaceuticals）との合併によってバイオジェン・アイデック（Biogen Idec）という新しい名称を採用しました。この合併により、アイデックが開発した多発性硬化症治療薬リツキサンの急成長に寄与し、さらにゼヴァリンという放射免疫療法薬剤も世に出されました。

その後、バイオジェン・アイデックは2006年にConforma Therapeuticsを買収し、がん研究を進める一方、同じ年にFumapharmとの共同研究が実を結び、さらに2007年にはSyntonix Pharmaceuticalsを取得しました。これにより、血友病治療薬のElocateとAlprolixが生まれました。2015年には、会社名を再びバイオジェンに戻し、2017年には血友病治療薬を提供するバイオベラティブが分社しました。

2018年には、ファイザーから統合失調症治療薬候補を取得し、神経精神領域への事業展開が進みました。2021年には、アルツハイマー病の治療薬ADUHELM™がアメリカFDAから承認を受け、注目を集めました。

主力製品

バイオジェンの主力製品は多発性硬化症の治療薬です。具体的には、以下の製品が挙げられます。

• - アボネックス (Avonex): インターフェロンβ-1aを基にした治療薬で、1996年にアメリカで承認されました。
• - タイサブリ (Tysabri): ヒトα4インテグリンを標的としたモノクローナル抗体で、2004年に承認されました。バイオジェンとエランによって開発されました。
• - テクフィデラ (Tecfidera): フマル酸ジメチルを含む治療薬です。
• - ファンピラ (Fampyra): ファンプリジンを基にした治療法です。

また、バイオジェンは乾癬治療薬FUMADERMや、非ホジキンリンパ腫の治療薬リツキサンなど、多岐にわたる製品ラインも展開しています。

日本における活動

バイオジェンは2000年から日本市場に進出し、バイオジェン・ジャパン株式会社を設立して日本国内での事業展開を進めています。日本においても同社の製品は様々な疾患の治療に貢献しています。

まとめ

バイオジェンは、革新的な医薬品の提供を通じて、患者の生活の質を向上させることを目指しています。今後も新たな治療方法の開拓に注力し、グローバルな視点で医療に貢献し続けることでしょう。

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