パティシエ

パティシエの世界

概要

パティシエとは、洋菓子やデザートを作る職人のことを指します。その作品は美味しさはもちろん、見た目にもこだわりを持ち、しばしば芸術作品とも称されるものです。特に欧州、特にドイツでは女性に人気の職業となっており、職業パティシエの約半数を女性が占めています。一方、フランスではこの職業に従事する女性は少なく、国としてもパティシエに非常に高い地位を与えています。パティシエは日本の医者に匹敵するほどの社会的地位を持つ職業とされています。

パティシエの仕事は、長時間立ちっぱなしで細かな作業から力仕事まで多岐にわたります。2004年度の日本の統計によると、パティシエの人数は減少傾向にあり、とりわけ男性の数が減っています。この傾向に対抗するように、女性の進出が見られ、最近では女性だけのスタッフで運営される菓子店も多く見受けられます。

歴史

パティシエという職業は中世フランスにまで遡ります。当初は「オブロワイエ」と呼ばれる職人が聖体拝領用のパンや焼き菓子を制作しており、さらに料理にも携わっていました。やがて、肉や魚の詰め物料理を作る者が「パスティシエ」と呼ばれるようになり、これが現在のパティシエの起源となっています。

1440年の記録によれば、パティシエは職業として認識され、砂糖を使用した菓子作りは彼らの特権とされていました。パティシエになるには、まず徒弟として5年間を経てから試験に合格し、さらに職業組合に作品を提出しなければなりませんでした。この制度はルイ16世の時代まで続き、フランス革命以後も多くのパティシエが菓子作りに専念するようになりました。今日のパティシエの認可制度には、親方からの実地教育といった徒弟制度の名残が残っています。また、日本で「パティシエ」という言葉が広まったのは2000年頃からで、主に洋菓子を作る職人の意味で使用されています。

資格制度

パティシエに関する資格制度は国によって異なりますが、フランス語圏では以下のような国家資格があります。

• - 資格レベルIII（最上級）

Brevet de maîtrise (BM) - Pâtissier confiseur glacier traiteur

• - 資格レベルIV（中級）

職業バカロレア(BAC) パティシエ
Brevet technique des métiers (BTM) Pastry catering confectioner Glacier

• - 資格レベルV（初級）

職業適性証(CAP) パティシエ
補充資格 (MC) - Pastry baker or pastry confectionery & chocolate ice cream specialty

スイスでは、Certificat fédéral de capacité（CFC）として知られる資格があり、日本では職業訓練指導員の資格などが存在します。

著名なパティシエ

いくつかの著名なパティシエが存在します。たとえば、フィリップ・コンティシーニ氏やルイ=エルネスト・ラデュレ氏などが挙げられます。彼らはそのデザインセンスや技術力で世界に影響を与えてきました。

パティシエの文化

パティシエはその専門性と魅力から、多くの作品に登場します。また、ブリガード・ド・キュイジーヌやルレ・デセールなど、パティシエ同士が集まる組織も存在し、お互いに技術を磨く場となっています。さらに、ショコラティエやグラシエといった他の職業とも関連深いものがあり、それぞれに特化した技術と芸術性があります。

結論

パティシエの職業は、その歴史や資格制度から見ても非常に深い文化を持っています。ただの職業以上の存在であり、食を通じて人々に喜びを提供するアーティストとも言えるでしょう。彼らの技術と愛情が込められた作品は、見る人を魅了し、楽しませ続けることでしょう。

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