パナマ共和国(República de Panamá)
概要
パナマ共和国は、北アメリカと
南アメリカの境界に位置し、カリブ海と
太平洋に接する共和制
国家です。国土はパナマ
運河によって二分され、世界の商業・交通の重要な拠点として知られています。国の標語は「Pro Mundi Beneficio(世界の福利のために)」、国歌は「Himno Istmeño(地峡賛歌)」です。首都はパナマ市です。
地理
パナマは北緯7度から10度、西経77度から83度の範囲に広がっており、その面積は約75,000
平方キロメートルです。国土は約78%が山地と丘陵で構成されており、中央山系には高山や
火山が点在しています。最も高い山はバル
火山で、標高は3,475メートルです。
また、熱帯性気候に属し、年間降水量は2000mmから3000mmに達します。国土は多様な自然環境があり、特に、ダリエン地方に広がる熱帯雨林はユネスコの
世界遺産にも指定されています。加えて、ボカス・デル・トーロ諸島やサン・ブラス諸島など、多くの島々が存在しています。
歴史
パナマの歴史は先コロンブス期に遡り、地元のチブチャ族が古代から居住していました。
スペイン人の到達後、パナマは植民地となり、1530年代以降は
スペインの重要な商業中心地として栄えました。1800年代初頭には独立運動が活発となり、1821年に
スペインから独立してグラン・
コロンビアの一部となりました。
その後、1846年には
アメリカ合衆国によってパナマ地峡の通行権が獲得され、
運河建設の計画が進行しましたが、
1903年には
コロンビアから独立し、アメリカの支配下でパナマ
運河の建設が進められました。1914年に
運河が開通し、パナマの国際的地位が向上しました。
政治
パナマは大統領制を採用しており、元首は大統領です。議会は一院制で、71名の国民議会議員が任期5年で選出されます。主要な
政党には民主変革党、民主革命党、パナメニスタ党などがあります。1999年にはアメリカの管理下にあった
運河地帯の主権が返還され、パナマ政府が全土を統治する体制が整いました。
経済
パナマの経済は急成長を続けており、
2020年のGDPは約529億ドルで、中米では最高水準です。米ドルが通貨として流通しており、自国の通貨主権を放棄しています。主な産業としては、金融業、観光業、
運河の通行料が挙げられます。また、農業や鉱業も行われており、特にバナナやエビの輸出が重要な収入源となっています。
文化
パナマの文化は、インディヘナの伝統にアフリカ系やヨーロッパ系の影響が加わり、多様性があります。食文化や音楽、特にスパニッシュ・
レゲエが人気で、国内では
ボクシングや
サッカー、
野球も盛んです。
国際関係
パナマは
中華人民共和国との国交樹立を進める一方、日本との関係も重視しています。国際社会においても重要な役割を果たす国として、今後の発展が期待されています。