フィルハーモニー

アルバム『フィルハーモニー』について

1982年5月21日、細野晴臣の6作目のオリジナルアルバム『フィルハーモニー』（PHILHARMONY）がリリースされました。この作品は、細野が高橋幸宏と共に立ち上げたアルファレコードのYENレーベルからの第一弾であり、オリジナルアルバムとしては『はらいそ』以来4年ぶりのリリースということもあり、当時の音楽シーンにおいて注目を集めました。

細野はYMO（イエロー・マジック・[[オーケストラ]]）在籍中はソロアルバムを制作しないと公言していましたが、このアルバムに取り組んだということは、YMO解散に対する彼の心境が変化していたことを示唆しています。また、LPジャケットの帯には「一所懸命作りました。」とのコメントが印刷されており、細野の情熱が伝わってきます。初盤には特典としてソノシート「夢見る約束」が付属し、この曲は2005年のデジタルマスタリングによる再発時にボーナストラックとして収録されました。

レコーディングの詳細

『フィルハーモニー』のレコーディングには、細野の他に高橋幸宏や坂本龍一、松武秀樹をはじめとする多彩なミュージシャンたちが参加し、彼らの才能が融合することで独自の音楽世界が生まれました。さらに、加藤和彦、立花ハジメ、上野耕路、FILMSなども参加し、様々なスタイルの楽曲が収められることになりました。

レコーディングには、当時最先端のサンプラーであったE-MU Systemsの「Emulator I」が使用され、詳細な音作りが行われました。細野は、自身の希望により完成した「LDKスタジオ」で作業を行い、エンジニアの飯尾芳史と二人三脚で多くの時間を過ごしました。

再発盤について

このアルバムは、2019年に砂原良徳によるリマスタリングが施され、SACDハイブリッド版とアナログ盤が再発売されました。この再発により、新たな音質で当時の音楽を楽しむことができ、多くのファンに再評価される機会を得ました。

収録楽曲

アルバムはA面とB面に分かれ、多彩な楽曲が収められています。A面には「ピクニック」や「フニクリ・フニクラ」、「ホタル」などが収録され、B面には「L.D.K.」や「お誕生会」、「フィルハーモニー」などが続きます。「L.D.K.」は、もともと日本クラウン在籍時に作られた曲を細野がアレンジし直して収録されたもので、このような背景を知ることで、楽曲の奥深さをさらに楽しむことができます。また、ソノシートには「夢見る約束」が収録されており、特別な一曲としてファンに愛されています。

参加ミュージシャン

このアルバムには、様々な著名アーティストが参加しています。細野晴臣を中心に、松武秀樹、高橋幸宏、加藤和彦、上野耕路、福澤もろ、立花ハジメ、FILMS、坂本龍一などが名を連ねており、それぞれのスタイルが見事に融合しています。プロデューサーとして細野自身が務め、彼の音楽的ビジョンが色濃く反映されています。また、レコーディングやミキシングは細野と飯尾芳史が担当し、独自のサウンドを追求しました。

『フィルハーモニー』は、その音楽的な多様性とリリース背景を背景に、細野晴臣の音楽キャリアにおいて重要な作品の一つです。

もう一度検索