フェタチーズ

フェタチーズ

フェタチーズは、ギリシャを代表するチーズの一つで、羊乳または羊乳と山羊乳の混合乳から作られるフレッシュチーズです。その歴史は古く、紀元前8世紀の文献やホメロスの叙事詩『オデュッセイア』にも記述が見られます。

特徴

フェタチーズは、白色でねっとりとした塊状の外観をしています。しかし、その塊はもろく、独特の風味と酸味、そして強い塩味があります。これは、食塩水中で熟成させるためです。また、フェタチーズの白い色は、原料となる羊乳や山羊乳に牛乳と違ってカロテンが含まれていないことに由来します。

食べ方

フェタチーズは、ギリシャの食卓に欠かせない存在です。そのままメゼ（軽食）の一品として食べられるほか、ギリシャ国外では「グリークサラダ」として知られるホリアティキサラタの材料としても使われます。また、スパナコピタやティロピタなどのおかずパイの材料としても広く利用されています。

ギリシャの伝統的チーズとしての地位

フェタチーズは、長らくギリシャ以外でも生産されていましたが、2002年に欧州委員会によって原産地名称保護制度（PDO）に基づき、ギリシャ産で伝統的な製法で作られたもののみが「フェタ」の名称を使用できることになりました。しかし、デンマークなどの一部の国は、この決定後も「フェタ」の名称を使用し続け、問題となりました。

2022年、欧州司法裁判所は、デンマークが欧州規制を遵守する義務を怠っていると判断し、ギリシャの主張を認めました。これにより、フェタチーズはギリシャの伝統的チーズとしての地位を確立しました。

フェタチーズに似たチーズ

バルカン半島や中東地域には、フェタチーズと同様の製法で作られるチーズが多数存在します。例えば、イランのパニール、トルコのベヤズ・ペイニル、ブルガリアのシレネなどがあります。これらのチーズは、絞った生乳を加工することで保存性を高めることができ、半砂漠地帯などでも生産されています。

フェタチーズは、その独特の風味と多様な用途から、世界中で愛されているチーズです。ギリシャ料理だけでなく、様々な料理に活用してみてはいかがでしょうか。

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