プレイガイド

プレイガイドについて

プレイガイド（ticket agency）は、映画やコンサート、演劇、スポーツイベントといった多様な興行の入場券を予約・発券する業務を提供する事業体およびその店舗のことを指します。一般的にはチケットセンターやチケットオフィスとも呼ばれますが、主催者が直接販売する際や劇場の専用窓口（いわゆるボックスオフィス）を指して使われることもありますが、ここではその主催者直売の部分には触れずにプレイガイドそのものに焦点を当てます。

概要

プレイガイドは、主催者からの正式な委託を受けて、各種興行のチケットの取り扱いを行っています。したがって、金券ショップや転売屋、ダフ屋と呼ばれるような業者は、プレイガイドには含まれません。特に大都市では年間を通じてさまざまなイベントが行われており、各イベントごとに別々の販売戦略を持つことには限界があるため、地域全体のイベントを網羅的に紹介し、発券を代行するプレイガイドの役割が重要となります。

このようなプレイガイドは、特定の興行に限定せず、幅広いイベントを取り扱うため、顧客にとって非常に利便性が高いサービスを提供しています。特に、興行数が多い地域では複数のプレイガイドが競争しやすくなるため、寡占状態に陥るリスクが少なくて済む反面、興行数が少ない地域では事業として成り立たない可能性があります。

なお、「プレイガイド」という用語は和製英語であり、アメリカでは「チケットロン」と呼ばれる業者が同様のサービスを提供しています。

歴史

日本におけるプレイガイドの歴史は、オンラインシステムが導入される以前にさかのぼります。この時期、プレイガイドは大都市を中心に存在し、運営母体となるのは新聞社系や証券会社でした。1970年代から1990年代にかけて、特に関東圏では『シティロード』や『ぴあ』といったイベント関連の情報誌が登場し、チケット購入のスタイルも確立されました。

1984年には、ぴあがチケットぴあのサービスを開始し、日本各地の興行を情報提供し始めるとともに、電話受付や実店舗を通じた発券システムも展開するようになりました。2000年代に入ると、急速なインターネットの普及により、従来の情報誌からウェブサイトへのシフトが進み、今では電子チケットの取り扱いが一般的となっています。

さらに、2010年代までには、実店舗に依存せずにウェブ上での商取引が一般的なスタイルとなり、オンライン専売のプレイガイドも出現しました。現在では、多くのプレイガイドが実店舗を持たず、インターネットを通じた販売システムを中心に運営されています。

主要プレイガイド

日本には多くのプレイガイドが存在していますが、中でもチケットぴあ、ローソンチケット、e+（イープラス）、CNプレイガイドが大手として広く知られています。これらの企業は、さまざまなイベントのチケットを取り扱い、都内を中心に広範囲にサービスを展開しています。特にチケットぴあは、日本初の本格的なプレイガイドとして広く利用されており、チケット予約の際は店舗に行列ができることもしばしばです。

このほかにも、セブンチケットやファミリーマートの関連サービス、さらには地域密着型のプレイガイドなど多様なサービスがあります。上記のように、プレイガイドは多くの魅力的なイベントへの入り口となり、文化やエンターテインメントの楽しみを広める役割を果たしています。

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