ホウオウエミーズ

ホウオウエミーズ：地方競馬の血を受け継いだ競走馬の軌跡

2017年5月20日、北海道千歳市の社台ファームで誕生したホウオウエミーズは、2018年のセレクトセールにおいて5400万円で落札され、競走馬としてのキャリアをスタートさせました。馬名は冠名と母名の一部から付けられており、その血統背景には地方競馬で活躍した母馬の存在が大きく影響しています。

デビューから2歳シーズン:

2019年8月、新潟競馬場での2歳新馬戦でデビューを果たしたホウオウエミーズでしたが、結果は6着。その後も2戦に出走したものの、いずれも着外に終わり、2歳シーズンは悔しい結果となりました。

3歳～4歳シーズン：勝利への序章

3歳シーズンを迎えると、未勝利戦で2着、続くレースで初勝利を掴みます。5戦目で掴んだ勝利は、その後の活躍への大きな弾みとなりました。続く織姫賞でも勝利を収め、勢いを増していきます。しかし、重賞初挑戦となった紫苑ステークスでは11着と大敗。その後も安定した成績を残すことができず苦戦が続きました。4歳時には2勝クラスで勝利を収め、マーメイドステークスでは5着と健闘を見せました。レインボーステークスと常総ステークスでは2着と惜しくも勝利を逃しましたが、着実に力をつけていることを示しました。

5歳シーズン：オープン特別制覇

5歳シーズンは愛知杯で15着と大きく出遅れましたが、続くスピカステークスで勝利し、オープンクラスに昇級を果たしました。その後は着外が続きましたが、新潟牝馬ステークスでは見事勝利し、オープン特別初制覇を成し遂げました。さらに、同レースでは小笹芳央所有馬によるワンツーフィニッシュという快挙も達成しました。GI初挑戦となったエリザベス女王杯では7着に終わりましたが、このシーズンを通して、ホウオウエミーズの潜在能力の高さを示す結果となりました。

6歳シーズン：重賞初制覇と引退

6歳シーズンは小倉大賞典で5着、福島牝馬ステークスでは12着と結果を残せませんでしたが、マーメイドステークスと七夕賞で3着と好走しました。新潟牝馬ステークスでは2着と惜しくも連覇を逃しましたが、その実力は着実に認められていました。そして11月12日、福島記念で11度目の挑戦にして悲願の重賞初制覇を達成。後方追走から直線で鋭く伸び上がり、ダンディズムとの接戦をハナ差で制しました。引退レースとなった有馬記念では10着に終わり、競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。2024年1月4日付けでJRAの競走馬登録を抹消され、引退後は北海道千歳市の社台ファームで繁殖牝馬として第二の人生を歩み始めました。

血統と将来性

ホウオウエミーズの母であるエミーズスマイルは、地方競馬で1勝を挙げ、JRAにも挑戦し2勝を収めた実績を持つ名牝です。2007年のアネモネステークス優勝、桜花賞出走などの実績を持つ母から受け継いだ才能は、ホウオウエミーズの活躍に大きく貢献しました。半姉の産駒には、UAEダービーやコリアカップ、マーキュリーカップを制したクラウンプライドという活躍馬もおり、その血統の素晴らしさが証明されています。繁殖牝馬として、今後の活躍にも期待がかかります。

ホウオウエミーズの競走馬としてのキャリアは、決して順風満帆ではありませんでした。しかし、持ち前の粘り強さと、関係者たちの献身的なサポートによって、数々の困難を乗り越え、ついに重賞制覇という偉業を成し遂げました。その輝かしい実績と、将来の繁殖牝馬としての活躍に、多くのファンが期待を寄せています。

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