ポロ

ポロ（Polo）

ポロとは、馬に乗った選手がマレットを使って球を打ち合う団体球技です。世界最古のスポーツの一つであり、漢字では「馬球」と表記されることもあります。競技の魅力はスピード感や戦略性、そして選手と馬の息の合ったプレーにあります。ポロは世界中で楽しまれており、特にアルゼンチンはその国内競技レベルと規模で知られています。

基本ルール

ポロの試合は、広さ270メートル×150メートルの競技場で行われ、これはフットボール場の約9倍のサイズに相当します。通常、1チームは4人の選手で構成され、それぞれが馬に乗り、特別なスティック（マレット）を使って球を相手のゴールに運び得点を狙います。試合は「チャッカー」と呼ばれる7分間のセクションに分かれており、1試合は通常6回のチャッカーで構成されます。選手は試合中に最大4頭の馬を使うことができ、連続して同じ馬を使用することはできません。これにより、選手は馬のコンディションを考慮しながらプレーしなければなりません。

歴史と現況

ポロの起源は紀元前6世紀のペルシャ（現在のイラン）に遡ります。当初は騎馬隊の軍事訓練から始まり、インドや中国、日本に伝わりました。特に中国では唐の時代以降、皇室において楽しまれており、その象徴的なシーンは壁画や唐三彩と呼ばれる美術品からも感じ取れます。日本でも神事として打毬の伝統が残されていますが、ポロの普及はあまり進んでいません。

近代的なポロのルールは19世紀にイギリスで制定されました。イギリス兵が植民地インドでポロを体験し、それを本国に持ち帰ったことがきっかけで、ポロはヨーロッパ各国や南米に広がっていきました。そして現在、アルゼンチンはポロの代表的な国として広く認知されています。2015年時点で、アルゼンチンには約6,000人のプレーヤーと270のポロクラブが存在しています。この他にもアメリカ約2,800人、イギリスでは約2,760人がポロを楽しんでいます。

日本での普及

日本においては、乗馬をする人の少なさや、大きな競技場の必要性、さらには複数の馬が必要となる条件から、ポロはごく限られた地域でしか行われていません。公式には数人の登録選手しかおらず、クラブも存在していないのが実情です。しかし、2016年4月には一般社団法人「日本ポロ協会」が設立されるなど、ポロの普及に向けた取り組みが始まっています。特に北海道ではポロ競技の定着を目指す試みが進行中です。

国内外の大会

世界的には、ポロ選手権をはじめ、雪上で行う「PIPA Snow Polo World Cup Tour」といった特異な形式の大会も開催されています。また、1900年から1936年にかけては、オリンピック競技にも指定されていた時期があります。

注目選手

日本のポロ選手として知られているのは大塚太郎氏で、彼はポロクラブの代表を務めており、日本におけるポロの普及に取り組んでいます。

その他の関連情報

ポロ選手が着用するファッションはそのままポロシャツのデザインに影響を与え、ラルフ・ローレンなど、様々なブランドがポロをテーマにした商品展開を行っています。さらに、ポロには馬を使わないバージョンも存在し、象やカヌー、自転車、モーターサイクル、セグウェイなど、多様なアプローチがあります。また、水中で行う「ウォーターポロ」も人気です。ポロは、伝統的な形から進化を遂げ、様々な楽しみ方が広がっています。

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