ポッサム

ポッサムとは

ポッサムは、オーストラリア、ニューギニア島、スラウェシ島に生息する小型から中型の樹上性の有袋類です。ニュージーランドにもフクロギツネが移入されています。分類学的には双前歯目クスクス型亜目に属する複数の科にまたがっており、厳密な定義はありません。

名称は、アメリカ大陸に住むオポッサム（アルゴンキン語由来）から来ており、しばしば混同されます。オーストラリアではポッサムをオポッサムと呼ぶことがあり、北米ではキタオポッサムをポッサムと呼ぶことがあります。しかし、オポッサムは分類学的にはオポッサム目オポッサム科に属し、ポッサムとは同じ有袋類という以上の近縁関係はありません。

ポッサムの生態と形態

ポッサムは夜行性で、日中は木の洞などに作った巣に隠れて過ごします。単独、またはつがいとその子供で生活します。生態系的には、北半球におけるリスに類似しているとされます。

後肢の指は、親指と他の指が対向しており、木の枝を掴むことができます。また、人差し指と中指はくっついていて、一本の指のように見えます。雌雄の差は少なく、外見からの区別は難しいです。

主なポッサムの種類

クスクス型亜目には6科があり、その全てにポッサムと呼ばれる種が存在し、合計で約30種類になります。

クスクス科 (Phalangeridae)

ポッサムを含む代表的な科で、大きくポッサムとクスクスに分けられます（これらは分類学的なグループではありません）。この科の代表的な種であるフクロギツネ (Common Brushtailed Possum、Trichosurus vulpecula) は、体長約50cm、体重約2.5kgとポッサムの中で最大級で、ブラシ状の尾が特徴です。草食性ですが、昆虫などを食べることもあります。

リングテイル科 (Pseudocheiridae)

フクロムササビ以外の種はリングテイル (Ringtail Possum) と総称されます。代表種はハイイロリングテイル (Common Ringtail Possum、Pseudocheirus peregrinus) です。長い尾を持ち、枝に巻き付けて木に登る際に役立てます。また、巣の材料にするための小枝を尾で巻き付けて運ぶこともあります。草食性です。

ブーラミス科 (Burramyidae)

ピグミーポッサム (Pygmy Possum) と総称される、ポッサムの中で最も体が小さいグループです。昆虫などを餌とします。ブーラミス (Mountain Pygmy Possum、Burramys parvus) やフクロヤマネ (Eastern Pigmy Possum、Cercartetus nanus) などの種がいます。最も小さいチビフクロヤマネ (Tasmanian Pygmy Possum、Cercartetus lepidus) は、体長が6.5cmほどしかありません。フクロヤマネという名前は、ヤマネのように冬眠することに由来します。

フクロミツスイ科 (Tarsipedidae)

フクロミツスイ (Honey Possum、Tarsipes rostratus) の1属1種で、オーストラリア南西部にのみ生息するネズミ大のポッサムです。長い先端がブラシ状になった舌を持ち、花の蜜や花粉をなめとって餌とします。このため、歯は退化しています。

フクロモモンガ科 (Petauridae)

背中の縞模様が特徴的なフクロシマリス (Striped Possum、Dactylopsila trivirgata) や、絶滅が危惧されているフクロモモンガダマシ (Leadbeater's Possum、Gymnobelideus leadbeateri) などが属する科です。雑食性で、昆虫や果実、樹液を餌とします。

チビフクロモモンガ科 (Acrobatidae)

ニセフクロモモンガ (Feather-tailed Possum、Distoechurus pennatus) が属します。

参考文献

(参考文献の情報は、必要に応じて追記してください)

関連項目

ポッサム・ボーン - ラリードライバー。「ポッサム」の由来はこの動物から。

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