マイヨジョンヌ

マイヨジョンヌ：新潟の申し子、その栄光と挫折の物語

1990年4月8日生まれの競走馬、マイヨジョンヌ。その競走生活は、華々しい勝利と苦悩に満ちた長く険しい道のりでした。東京競馬場でのデビューから、クラシック三冠への挑戦、そして新潟競馬場での輝かしい活躍、そして引退まで、数々のドラマが詰まっています。

1992年11月のデビュー後、3戦目で初勝利を挙げたマイヨジョンヌでしたが、4歳春の調整の遅れから皐月賞、日本ダービーへの出走は叶いませんでした。菊花賞を目標に京都新聞杯に出走するも、ダービー馬ウイニングチケットに惜しくも敗れ、菊花賞でも12着と結果を残せませんでした。

その後は、長らくGIIIやオープンクラスで2、3着を争う日々が続きました。先行策が中心でしたが、なかなか勝利には届きませんでした。転機となったのは1996年3月。田中勝春騎手との初コンビで、それまでの先行策から一転、追い込み戦法に切り替えたのです。4着という結果に終わりましたが、この試みがマイヨジョンヌの競走人生を大きく変えることになります。

坂井千明騎手とのコンビで挑んだ1996年の新潟大賞典では、7番人気という下馬評を覆し、最後の直線で見事な追い込みで2年10か月ぶりの勝利を掴みました。これがマイヨジョンヌにとって初の重賞制覇であり、大きな自信と新たな可能性を切り開く転換点となりました。

その後も追い込み戦法を貫き、札幌記念ではGI馬マーベラスサンデーに僅差の2着。函館記念では1位でゴールしたものの、斜行により4着に降着という悔しい結果もありました。しかし、新潟競馬場ではその実力を遺憾なく発揮し、福島記念を含む新潟重賞で3勝を挙げました。新潟放送の杉浦健氏からは「新潟の申し子」と称えられるほど、新潟競馬場との相性の良さは際立っていました。

1997年5月には新潟大賞典で2連覇を達成しましたが、その後脚部不安により長期療養を余儀なくされます。1998年2月にはJRAの競走馬登録を抹消。生産者である川上悦夫氏に引き取られ、ホッカイドウ競馬での再起を目指しましたが、残念ながら復帰を果たすことなく、競走馬としてのキャリアに幕を閉じました。

競走馬引退後は、種牡馬として活躍することを期待されましたが、産駒の成績は振るわず、2005年には供用停止となり、種牡馬としても引退を余儀なくされました。晩年は生まれ故郷の川上悦夫牧場で余生を送り、2018年7月5日、腸捻転のため生涯を閉じました。

マイヨジョンヌの競走生活は、決して順風満帆ではありませんでした。幾多の苦難を乗り越えながらも、持ち前の粘り強さと勝負根性で、数々の勝利を掴み取りました。特に新潟競馬場での活躍は、多くの競馬ファンの記憶に深く刻まれています。その輝かしい功績と、不屈の精神は、後世に語り継がれるべきものです。

主な勝ち鞍:

1996年 新潟大賞典、福島記念
1997年 新潟大賞典

通算成績: 31戦5勝

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