マコンデ美術館

マコンデ美術館：アフリカの魂が息づく場所

三重県伊勢市二見町に位置するマコンデ美術館は、世界でも珍しいマコンデ彫刻専門の美術館です。館長である水野恒男氏が約20年の歳月をかけて収集した約2,000点のコレクションは、タンザニアとモザンビークの国境地帯に暮らすマコンデ族の伝統的な黒檀彫刻を中心に、ティンガティンガの絵画、民族楽器、民具など、多岐にわたるアフリカの文化を体験できます。

マコンデ彫刻の魅力

マコンデ族は、電動工具を一切使わず、釿（ちょうな）で素材を粗彫りした後、のみ、やすり、ガラス片を用いて手作業で彫刻を仕上げます。そのため、彼らの作品、特に人物をモチーフにした彫刻は、素材である黒檀の硬質なイメージとは異なり、血の通ったような温かみと柔らかさを持つことが特徴です。作品に触れると、その表面の滑らかさ、手仕事の痕跡、そして込められたエネルギーを感じ取ることができます。

触れて感じるアート

マコンデ美術館の大きな特徴は、展示品の3分の2以上が来館者による手での鑑賞を許可されていることです。これは、視覚に障がいのある方々にも芸術を楽しんでほしいという想いから実現しました。作品に触れることで、その質感や形状を直接感じ、視覚だけでは得られない感動を体験できます。

美術館の歴史

マコンデ美術館の創設者である水野恒男氏は、元々名古屋市で鉄工所を経営していました。趣味の写真を通じてマコンデ彫刻に出会い、その魅力に惹かれたことが美術館設立のきっかけです。最初は民芸品店で購入した彫刻から始まり、その後、アフリカへ直接買い付けに行くまでに情熱を注ぎました。

1984年、水野氏は鉄工所を増築し、私設美術館として名古屋市にマコンデ美術館を開館しました。しかし、工場地帯という立地条件から来館者は少なく、より多くの人にマコンデ彫刻を知ってもらうため、観光地である伊勢市二見町への移転を決意します。

1991年、約2億4000万円の私財を投じ、現在の場所に新美術館を建設。鉄工所を閉鎖し、美術館経営に専念することになりました。二見への移転後も経営は厳しい状況でしたが、作品に触れて鑑賞できるスタイルが話題を呼び、徐々に来館者が増加しました。

訪れる人々へ

マコンデ美術館は、単に作品を展示するだけでなく、アフリカの文化や人々の生活、そして芸術に対する情熱を伝える場所です。作品に触れ、音楽に耳を傾け、アフリカの風を感じてください。館長のユニークな解説とともに、マコンデ彫刻の奥深い世界を堪能できるでしょう。

利用案内

開館時間: 9時 - 17時（最終入館16時30分）
休館日: 火曜日（祝日の場合は翌日）、6月と12月の第2週平日
入館料: 大人1,000円、高校生800円、小中学生600円

アクセス

鉄道: JR参宮線松下駅よりタクシーで約5分
バス: 三重交通バス・伊勢二見鳥羽周遊バス（CANばす）「池の浦」下車、徒歩約4分
車: 国道42号沿い、駐車場約30台

マコンデ美術館で、心豊かなひとときをお過ごしください。

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