マサキ

マサキ（学名: Euonymus japonicus）

マサキは、ニシキギ科ニシキギ属に属する常緑の低木です。日本や中国、朝鮮半島に広く分布しており、特に日本では本州、四国、九州、沖縄諸島に見られます。別名にはオオバマサキ、ナガバマサキ、コバマサキ、ボウシュウマサキ、ヤクシママサキなどがあり、各地の特色を反映した呼び名が付けられています。

特徴

マサキは、通常1メートルから5メートルの高さに成長する常緑の広葉樹です。その樹皮は暗褐色で縦に筋が入っており、若い枝は緑色の円い形をした稜のない特徴があります。葉は対生し、短い葉柄を持ち、形は倒卵円形または楕円形で、長さは3センチ[[メートル]]から8センチ[[メートル]]、幅は2センチ[[メートル]]から4センチ[[メートル]]です。葉は厚く、革質で光沢があり、先端は鋭く、基部は円形またはくさび形になっています。また、品種によっては斑入りの葉を持つものも見られます。

花期は6月から7月にかけてで、今年枝の上部の葉腋から集散花序を伸ばし、緑白色の小さな花を多数咲かせます。秋には球形の果実が成熟し、4つに裂けた果実の中には橙赤色の仮種皮に包まれた種子があります。熟すと淡紅紫色に変わり、冬になっても裂開した果実が残っています。冬芽は葉の付け根につき、長卵形で先端は尖っており、淡緑色の芽鱗に包まれています。この芽鱗の縁は紅紫色を帯び、頂芽にはしばしば側頂側芽が見られます。

生育環境

マサキは、海岸近くの林に自生していますが、人々によって植栽されることも多く、生け垣などに用いられることが一般的です。日本では北海道南部から沖縄諸島、小笠原諸島まで広範囲に分布しており、環境に適応した形で多様な地域に根付いています。

利用

その耐陰性や刈り込みに強い特性から、マサキは生け垣や庭木として非常に人気があります。また、多くの園芸種が流通しており、庭のアクセントとして重宝されています。日本の平安時代には、貴族階級の間で「和杜仲」という称号のもと、強壮剤として使用されていたこともありますが、これは本来はトチュウ科ではなく、マサキに由来するものであるとされています。

昆虫との関係

マサキの葉を好む昆虫として、ハチによく似たガの一種であるミノウスバが知られています。この昆虫は晩秋に羽化し、昼間に活動しながら、細い枝に卵塊を産みつけます。翌春には幼虫が孵化し、葉の新芽を食い尽くすことがあるため、特に若葉が集団で食害を受けやすいです。このように、マサキは昆虫と共生する一面も持っています。

マサキはその美しい葉と果実を持ち、庭や公園などで愛される存在です。生態系においても重要な役割を果たしており、これからも多くの場所で観察されることでしょう。

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