ニシキギ科

ニシキギ科（Celastraceae）は、ニシキギ目に属する植物の科であり、世界の熱帯地域から温帯地域にかけて広く分布しています。この科には、約100属、千数百種もの植物が含まれています。

特徴

ニシキギ科の植物の多くは、常緑または落葉性の木本ですが、中には蔓性の植物も存在します。日本国内には、ニシキギ、ツルウメモドキ、マサキ、ツルマサキ、マユミ、ツリバナなど、5属27種（ウメバチソウ属を除く）が自生しており、これらの植物は庭木や生け垣として利用されることが多いです。

花は一般的に小さく、観賞価値が高いとは言えません。しかし、果実が成熟して裂開すると、赤い仮種皮に包まれた種子が現れるものが多く、その美しい色彩が楽しまれます。特にニシキギは、秋の紅葉が非常に美しく、観る人々を魅了します。

花は両性花または単性花であり、放射相称の形をしています。子房上位で、萼、花弁、雄蕊がそれぞれ5個ずつ存在するのが特徴です。果実は、2個から10個程度の比較的大型の種子を含み、蒴果、液果、または翼果となります。

日本の属

日本に自生するニシキギ科の代表的な属と種は以下の通りです。

ツルウメモドキ属 Celastrus - ツルウメモドキ
ニシキギ属 Euonymus - ニシキギ、マサキ、ツルマサキ、マユミ、ツリバナ
ハリツルマサキ属 Maytenus - ハリツルマサキ
モクレイシ属 Microtropis - モクレイシ
クロヅル属 Tripterygium - クロヅル
ウメバチソウ属 Parnassia - ウメバチソウ（草本）

APG植物分類体系

APG植物分類体系第3版（APG III）では、従来のレプロペタロン科、ウメバチソウ科（かつてはユキノシタ科に分類されていた）、ポッティンゲリア科もニシキギ科に含めています。これらの科は草本植物であり、木本が中心であった従来のニシキギ科とは異なる性質を持っています。この分類の変更は、植物の系統関係に関する新たな知見を反映したものです。

ニシキギ科は、その多様な形態と生態から、様々な環境に適応して生き残ってきた植物群であると言えるでしょう。

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