ミルファーム

有限会社ミルファーム：北海道浦河町の競走馬生産牧場

有限会社ミルファームは、北海道浦河郡浦河町に位置する競走馬の生産牧場であり、同時に馬主（オーナーブリーダー）としても活動しています。1996年8月、清水敏氏と妻の万樹子氏によって設立されました。

清水敏氏の経歴：証券マンからサラブレッド生産者へ

清水敏氏は1964年、和歌山県和歌山市に生まれました。競馬とは無縁の環境で育ちましたが、慶應義塾大学法学部卒業後、野村證券株式会社に入社。岐阜支店、大阪支店とキャリアを重ね、高い営業成績を残しました。しかし、大阪支店勤務中に乗馬を体験したことをきっかけに、サラブレッド生産への道を志すようになります。

野村證券退社後、清水氏はビッグレッドファームに転職。そこで2年間の修業を経て、独立を決意します。夫婦で貯蓄を取り崩し、両親からの援助も得て、閉鎖寸前の牧場を買い取ります。これが、ミルファームの始まりです。牧場名の由来は、夫婦の愛犬「ミルフィーユ」の愛称「ミルちゃん」からきています。

牧場経営と成功：重賞制覇への道のり

ミルファームは、ビッグレッドファームから譲り受けた繁殖牝馬ロンバーデルを礎に、サラブレッド生産を開始しました。開業4年目には、生産馬ユーワファルコンが中日スポーツ賞4歳ステークス（GIII）を制し、初重賞勝利を収めます。この勝利は、清水氏にとって大きな喜びであり、人生における大きな転換点となりました。

その後もミルファームは、数々の活躍馬を輩出していきます。2022年には、所有馬ビリーバーがアイビスサマーダッシュ（GIII）を制し、馬主として初重賞勝利を飾りました。さらに、キタウイングも新潟2歳ステークス（GIII）、フェアリーステークス（GIII）を制するなど、活躍が目覚ましいです。

新潟競馬場での「多頭出し」戦略

ミルファームは、新潟競馬場の芝1000m直線コースで行われる未勝利戦に、多くの所有馬を出走させることで知られています。この「多頭出し」戦略は、マスコミにも注目され、「夏の風物詩」や「夏のミルファーム祭り」と称されるほどになりました。2001年以降、300頭以上の所有馬をこのコースに出走させ、出走頭数、勝利数ともに最多を誇ります。2020年には、同一馬主による1競走出走頭数のJRA最多記録（12頭出し）を達成しました。

代表的な生産・所有馬

ミルファームは、ユーワファルコン、ビリーバー、キタウイングなど、数々の活躍馬を生産・所有しています。これらの馬たちは、ミルファームの生産技術の高さを証明するものであり、日本の競馬界に大きなインパクトを与えています。 これらの馬以外にも、多くの競走馬を生産しており、その中には重賞で好成績を残した馬や、将来性のある若駒も含まれています。

まとめ

有限会社ミルファームは、元証券マンの清水敏氏による情熱と努力、そして妻万樹子氏との献身的な協力によって築き上げられた、成功した競走馬生産牧場です。独自の経営戦略と高い生産技術によって、日本の競馬界に貢献し続けています。 彼らの挑戦は、これからも多くの競馬ファンを魅了し続けることでしょう。

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