モリサワ

株式会社モリサワの概要

株式会社モリサワ（英: Morisawa Inc.）は、日本の大阪市に本社を構える企業で、DTP用フォントや組版ソフトウェア、オンデマンド印刷機などの開発・販売を行っています。日本語PostScriptフォントを初めて市場に投入した企業としても知られ、国内のフォント市場ではトップシェアを誇ります。創業当初は手動写植機を製造していましたが、その後、電算写植機の開発へと進出しました。

歴史の変遷

創業者の森澤信夫氏は、石井茂吉氏と共に「写真植字機研究所」を設立し、その後、1948年に「写真植字機製作株式会社」を創業しました。この会社名は1971年に「モリサワ」と改められました。創業以来、同社は手動写植機の分野で成功を収め、電算写植機の時代でもその地位を維持しました。1984年からは「国際タイプフェイスコンテスト モリサワ賞」を開催し、日本の書体設計の発展を牽引しました。

DTP革命の推進

1990年代に入り、MacintoshによるDTPの普及が進む中、モリサワはアドビと提携し自社のフォントをMacintosh用として展開しました。この選択は当初、社内外で懐疑的に見られたものの、結果的に同社の書体はDTP業界におけるデファクトスタンダードとなり、手動写植時代の競合よりも優位な立場を築きました。

また2002年からは、OpenTypeフォントをリリースし、Windows環境での利用を可能にしました。各種フォントの需要を受け、多言語対応や電子書籍関連の新たな市場にも積極的に参入していきます。

フォントの進化

モリサワは日本語PostScriptフォントの構造の変遷においても先駆的な役割を果たしました。初期のOCF形式からCID形式へと移行し、その際に発生した問題点を解消するため「New-CIDフォント」という新たな製品をリリースしました。この取り組みにより、互換性の問題を持つフォントの使用が改善され、よりスムーズなデザイン環境が実現されました。

M&Aと業務提携

最近では、業界の競合企業を積極的に買収する動きも見せており、2010年にはタイプバンクを子会社化したほか、リョービイマジクスからフォント事業を譲渡されました。さらに、2021年には写研とOpenTypeフォントの共同開発に合意しました。

フォント製品とサービス

モリサワは多様なライセンスサービスを提供し、一般向けの年間ライセンスや教育機関向けの特別ライセンスを展開しています。また、豊富なフォントパッケージがラインナップされており、選択肢が多いこともユーザーに支持されています。

社会貢献活動

2020年東京オリンピックの公式フォントを開発するなど、社会貢献活動にも力を入れており、障害者スポーツへの支援も行っています。これにより、モリサワはブランドの認知度を高めると同時に、地域社会への貢献も実現しています。

まとめ

株式会社モリサワは、フォントや組版ソフトウェアの分野で重要な役割を果たし続けており、日本語書体の進化に寄与してきた歴史を持っています。今後もデジタル化が進む中、さらなる発展が期待される企業です。

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