ヤイリギター

株式会社ヤイリギター

株式会社ヤイリギター（Yairi Guitar）は、岐阜県可児市に拠点を置くアコースティックギターの製造企業です。この会社は、自社ブランド「K.Yairi（ケーヤイリ）」と「Alvarez yairi（アルバレツ・ヤイリ）」の製造と販売を行っており、アコースティックギターやエレクトリックアコースティックギターを主力商品としています。また、大正琴やウクレレ、ブズーキなどのギター以外の弦楽器も製作しています。

会社の歴史と発展

日本国内での知名度は「K.Yairi」として広まり、海外向けには「Alvarez yairi」というブランド名で1970年代から展開されています。アメリカの著名なミュージシャンたちに愛用されるなど、その品質は国際的にも評価されています。具体的には、ポール・マッカートニーやデヴィッド・クロスビーといった有名アーティストが同社の楽器を使用しています。

近年では、日本の音楽シーンのトップアーティストたちもヤイリギターを選んでおり、浅井健一や長渕剛、GLAYなどがその一例です。2009年からは新星堂が「Alvarez・Yairi」の日本での総販売元として活動し、国内販売に関しては専門店を通じて行われています。

製作スタイルと品質

ヤイリギターは、高品質なギター作りにこだわりを持っています。創業者の矢入一男はアメリカでの経験を活かし、木材の選別から細かな製作工程まで職人が手作業で行う方法を採用しています。このアプローチにより大量生産は行わず、毎日約25本しか生産しない体制を貫いています。

そのため、特に代表的な製品にはYW-1000、LEOシリーズ、エンジェルシリーズ、またオリジナル弦楽器の一五一会などがあります。さらに、標準のカタログ掲載品だけでなく、オーダーメイドの受注も行っており、独自の仕様に合わせた製品を作ることができます。

アフターサービスと保証

ヤイリギターは、製品に対する永久保証制度を導入しています。通常、古い楽器や破損した楽器も基本的には修理可能で、製品の不良以外の修理は有償ですが、料金は控えめです。また、同社の技術者が各地の楽器店に派遣され、希望者の楽器をその場で評価し、調整や修理を実施するギタークリニックも定期的に開催されています。このような充実したアフターケアは、多くのユーザーからの信頼を得る要因となっています。

創業者の背景と関連会社

ヤイリギターは1935年に矢入儀市によって名古屋市に設立され、その後1945年に可児市に移転しました。1970年代にはアメリカとの契約により輸出を始め、以来国内外での地位を築いてきました。

矢入楽器製造との関係については、ヤイリギターの創業者と矢入楽器製造の創業者が親族であるものの、両者は別の事業体であり、法人としては一切の関係がないことが明言されています。矢入楽器製造は過去の栄光を経験しつつも、1990年代初頭に倒産した経緯があります。

ヤイリギターは独自の理念と技術をもって出発し、現在もその路線を維持しています。音楽の楽しみと共に長年愛され続ける楽器を提供することで、今後も多くの音楽愛好者に親しまれることを目指しています。

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