ユニットバス

ユニットバスとは

ユニットバスとは、工場などで予め成型された浴室を指す和製[[英語]]です。英語では「bath module」と呼ばれます。防水性の高い素材で天井、床、壁が一体成型されており、浴槽やその他の設備も組み込まれています。現場では、これらのユニットを搬入して組み立てるだけで浴室が完成するため、工期の大幅な短縮が可能です。日本の間取り図では「UB」と表記されます。

概要

ユニットバスは、工場で精密に製造されるため、現場での手作業による在来工法に比べて施工時間が大幅に短縮されます。また、防水性が高く、階下への水漏れのリスクが少ないというメリットもあります。さらに、容積効率にも優れていますが、その一方で、換気や排水などの性能が多少犠牲になる場合もあります。

日本での普及

日本では、戸建て住宅、マンション、ホテル、アパート、病院など、様々な建物でユニットバスが利用されています。近年では、サイズや機器のオプションを自由に選べる製品が増えており、2014年の時点で、日本国内の浴室の約95%をユニットバスが占めています。日本国内では「システムバス」とも呼ばれ、トイレ、洗面台、バスタブが一体となったタイプは「3点ユニット」と呼ばれます。

歴史

ユニットバスの原型は、1938年にバックミンスター・フラーが特許出願した金属製浴室ユニット「ダイマキシオンバスユニット」に遡ります。しかし、これはアメリカでは普及しませんでした。現在につながるFRP（繊維強化プラスチック）製のユニットバスは、1963年に日本で開発されました。そのきっかけは、東京オリンピック開催を控え、ホテルニューオータニの建設工期を短縮するためでした。日立化成工業（現：ハウステック）と東洋陶器（現：TOTO）が開発に携わり、従来の工法では1部屋あたり1ヶ月かかっていたバス・トイレの施工を、ユニットバスの導入により数時間に短縮することに成功しました。ホテルニューオータニでは、1000室以上の全客室にユニットバスを3ヶ月半で設置完了したとされています。

1963年1月には、積水化学工業奈良工場で国産初のFRPプレス成形浴槽「セキスイバス」の製造も開始されており、これが日本初という説もあります。また、1963年9月には、北海酸素（現：エア・ウォーター）から住宅用ユニットバスの元祖とされる「ほくさんバスオール」が発売されました。これは洗い場がない浴槽だけの製品でした。

1971年には、積水ハウスが規格化されたFRP製浴槽を利用したユニットバスを戸建て住宅に初めて採用。1981年には、メーターモジュールのユニットバス（最大サイズの「1818」）も初めて採用しました。

サイズ

住宅用ユニットバスのサイズはほぼ規格化されています。縦横のサイズを10cm単位で2桁+2桁の数字で表記し、浴槽の長手方向が縦に設置されます。

一般的な組み合わせには、「1216」、「1317」、「1416」、「1418」、「1616」、「1618」、「1818」などがあり、さらに広い「1820」も注文できます。ショールームなどでは「1818」が展示されていることが多いです。

誤解

ユニットバスは、浴室、トイレ、洗面台が一体になったものだと誤解されることがあります。これは、外国人観光客向けのホテルで3点ユニットが多く採用されたことや、単身者向け集合住宅で普及していることが原因と考えられます。

アメリカでの事情

アメリカでは、労働組合の力が強く、建築時に各職種の雇用を確保するため、ユニットバスの使用が制限されています。

主要メーカー

ユニットバスの主要メーカーには、以下のような企業があります。

TOTO
LIXIL
パナソニックハウジングソリューションズ
クリナップ
タカラスタンダード
トクラス
ハウステック
長府製作所
ウッドワン
永大産業
ブレクス
積水ホームテクノ
日比野化学工業
日ポリ化工
和光製作所
アステック
サンワカンパニー
小笠原
ダイワ化成
PUDA
コーラーカンパニー
ノーキン
カドガン
有田ユニテム
テクノクリエート
東京バススタイル
ノーリツ（2019年冬に撤退）
ナスラック（2020年夏にシステムバスから撤退予定）

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