リッチー・コッツェン

リッチー・コッツェン：多才な音楽性と卓越したギターテクニック

リッチー・コッツェン（Richie Kotzen）は、1970年2月3日生まれのアメリカ人ミュージシャンです。ギタリストとしての名声は確立されていますが、ボーカリスト、作曲家としても非凡な才能を発揮し、その多才さで音楽界に独自の地位を築いています。

生い立ちと音楽への目覚め

ペンシルベニア州レディングで生まれたコッツェンは、5歳でピアノを始め、7歳でギターを手にするようになりました。幼少期からファンクやソウルに影響を受けつつ、ロックやジャズなど幅広い音楽に親しみます。17歳になる頃には、すでに全米をツアーし、500回を超えるライブを経験するなど、早熟の才能を発揮していました。

デビューとソロキャリア

1989年、19歳でシュラプネル・レコーズからアルバム『リッチー・コッツェン』でデビュー。その後も、『フィーヴァー・ドリーム』(1990年)、『エレクトリック・ジョイ』(1991年)とハイペースでアルバムをリリースし、ソロアーティストとしての地位を確立していきます。R&B、フュージョン、ファンク、ブルースなど、様々な音楽的要素を吸収し、独自のサウンドを追求しました。

ポイズン、MR. BIGへの参加

1992年には、ポイズンに加入し、アルバム『ネイティヴ・タン』(1993年)をリリースしますが、バンドとの方向性の違いから脱退。その後、1999年にスタンリー・クラークのプロジェクト「Vertú」に参加し、同年にはMR. BIGにポール・ギルバートの後任として加入します。MR. BIGでは、『ゲット・オーヴァー・イット』(1999年)や『アクチュアル・サイズ』(2001年)といったアルバムに参加し、バンドのサウンドに新たな風を吹き込みました。

音楽性：テクニックとエモーションの融合

コッツェンの音楽性は、高度なギターテクニックとエモーショナルな表現力の融合にあります。アラン・ホールズワースを彷彿とさせるレガート奏法やスウィープ、ライトハンド奏法（タッピング）などを駆使し、流れるような速弾きを披露します。しかし、そのテクニックは決して自己満足に終わらず、楽曲の感情を表現するための手段として用いられます。ジミ・ヘンドリックスやエリック・クラプトンからの影響も公言しており、エモーショナルな面に重きを置いたプレイスタイルが特徴です。

使用ギターと機材

コッツェンは、フェンダー製のギター、特にテレキャスターを愛用しています。ポイズン時代にカスタムショップで製作したモデルを元にしたフェンダー・ジャパン製のシグネチュアモデルは、現在では日本のみならず米国でも市販されています。また、アコースティック・[[ギター]]はクレモナ・ブルガリア社から自身のモデルが販売されています。

人柄とエピソード

コッツェンは、その率直な言動でも知られています。過去には、自身の初期の作品を批判したり、フォーティー・デュースを「ただのプロジェクト」と発言したりするなど、物議を醸すこともありました。しかし、その一方で、プリンスの大ファンであることを公言したり、カレーライスやから揚げが好きであることを明かしたりするなど、親しみやすい一面も持ち合わせています。

近年の活動

MR. BIG解散後は、再びソロ活動に専念する傍ら、ビリー・シーン、マイク・ポートノイと共にザ・ワイナリー・ドッグスを結成し、精力的に活動を展開しています。

代表的なディスコグラフィー

リッチー・コッツェン (1989)
ネイティヴ・タン (1993) ※ポイズン
ゲット・オーヴァー・イット (1999) ※MR. BIG
ザ・ワイナリー・ドッグス (2013) ※ザ・ワイナリー・ドッグス

リッチー・コッツェンは、その卓越した音楽性とギターテクニックで、これからも多くのファンを魅了し続けるでしょう。

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