リパブリック・アビエーション

リパブリック・アビエーション・カンパニーとは

リパブリック・アビエーション・カンパニー（Republic Aviation Company）は、かつてアメリカ合衆国に存在した航空機メーカーです。主に軍用機を製造し、第二次世界大戦中には主力戦闘機P-47サンダーボルトを開発・生産しました。1965年にフェアチャイルドに買収され、その歴史に幕を閉じました。

前身：セバスキー・エアクラフト

リパブリック社の前身は、アレクサンダー・セヴァスキー（Alexander Procofieff de Seversky）が1931年に設立したセバスキー・エアクラフトです。セヴァスキーは、ロシア帝国出身の航空技術者であり、第一次世界大戦でパイロットとして活躍した経験を持ちます。

セバスキー社の最初の設計はSEV-3で、420馬力のライトJ-6空冷星型エンジンを搭載した全金属製の低翼単葉機でした。水陸両用のフロートを備え、特徴的な楕円翼は後の機種にも受け継がれました。SEV-3は3座席の民間機として開発され、1933年には時速290kmの速度記録を達成しました。

1934年、SEV-3は練習機としてSEV-3XARに改造されました。フロートを外し、固定脚にスパッツを取り付け、キャノピーを改造、エンジンを950馬力のライトR-975に換装しました。アメリカ陸軍の練習機競争試作に応募し、BT-8として13機が採用されました。

しかし、BT-8は陸軍の要求した400馬力エンジンを搭載せず、出力不足で操縦が難しく、パイロットにとって危険な機体と判断されました。結果的に、ノースアメリカン社のBT-9（後のAT-6テキサン）が主力練習機として採用されました。しかし、SEV-3の設計はその後も改良が続けられ、後方引込脚を採用したことで、アメリカ陸軍初の片持ち式低翼単葉引込脚戦闘機であるP-35へと発展しました。P-35はカーチスP-36との競争に勝利し、採用されました。

リパブリック・アビエーションへの転換

セバスキー社は経営難に陥り、1939年にリパブリック・アビエーションとして再編されました。第二次世界大戦中、リパブリック社はP-47サンダーボルト戦闘機の開発・生産に注力しました。P-47は15,000機以上が製造され、商業的にも大成功を収めました。しかし、戦後は軍用機の需要が激減したため、民間機であるリパブリック RC-3 シービーの製造も開始しました。

その後、リパブリック社はジェット戦闘機の開発にも着手しましたが、1965年にフェアチャイルド社に買収され、その歴史に幕を下ろしました。

リパブリック社が開発・生産した主な航空機

SEV-3: セバスキー社が開発した初期の水陸両用機。
BT-8: SEV-3をベースに開発されたアメリカ陸軍の初等練習機。
P-35: アメリカ陸軍初の片持ち式低翼単葉引込脚戦闘機。
セバスキー陸上複座戦闘機: 詳細不明。
XF-12偵察機: 詳細不明。
P-43 ランサー: P-35をベースに開発された戦闘機。
P-47 サンダーボルト: 第二次世界大戦中に活躍した主力戦闘機。
F-84 サンダーバード: 戦後に開発されたジェット戦闘機。
XF-91 サンダーセプター: 実験的に開発された試作ジェット戦闘機。
XF-103: 試作のみで終わったジェット戦闘機。
F-105 サンダーチーフ: 超音速戦闘爆撃機。

関連項目

航空機メーカーの一覧

リパブリック・アビエーションは、その短い歴史の中で数々の名機を世に送り出しました。特にP-47サンダーボルトは、第二次世界大戦におけるアメリカ軍の勝利に大きく貢献しました。リパブリック社の技術は、その後の航空機開発にも大きな影響を与えたと言えるでしょう。

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