ロビンフッドの冒険

『ロビンフッドの冒険』：不朽の名作

1938年に公開されたアメリカ映画『ロビンフッドの冒険』は、正義感溢れる義賊ロビン・フッドの活躍を描いた冒険活劇です。ワーナー・ブラザースが当時最高額の製作費を投じ、テクニカラーで撮影された本作は、公開当時から高い評価を得ており、今日に至るまで多くの人々に愛され続けています。

あらすじ

舞台は12世紀のイングランド。獅子心王リチャードが十字軍遠征から帰還する途中、オーストリア公に捕らえられ、その不在に乗じて弟のジョン王子が王位を狙い、圧政を敷いていました。サクソン人たちは重税に苦しみ、ジョン王子の腹心であるガイ卿の横暴な振る舞いに不満を募らせていました。

そんな中、サクソン貴族のロビン・フッドは、圧政に憤り、仲間を集めてジョン王子に反旗を翻します。彼は、シャーウッドの森を拠点に、ジョン王子に従う諸侯から金品を奪い、困窮しているサクソン人たちに分け与え、民衆の支持を得ていきます。ロビンは、マリアン姫との出会いを経て、ジョン王子に抵抗する理由を伝え、彼女の協力を得ながら、圧政に立ち向かいます。

ジョン王子はロビンを捕らえるべく罠を仕掛けますが、ロビンは仲間たちの助けを借りて脱出します。その後、ロビンは森でリチャード王と再会し、彼と共にジョン王子の陰謀を阻止し、イングランドを圧政から解放するため戦います。ロビンは、ガイ卿との壮絶な一騎打ちを制し、最後には、ジョン王子を降伏させ、イングランドを取り戻すことに成功します。リチャード王は、ロビンの功績を称え、彼の仲間たちに恩赦を与え、ロビンはマリアン姫との結婚を許されます。

キャスト

ロビン・フッド：エロール・フリン
マリアン姫：オリヴィア・デ・ハヴィランド
ガイ・オブ・ギスボーン：ベイジル・ラスボーン
ジョン王子：クロード・レインズ
ウィル・スカーレット：パトリック・ノウルズ
タック修道士：ユージン・ポーレット
リトル・ジョン：アラン・ハイル
マッチ：ハーバート・ムンディン
ノッティンガム州長官：メルヴィル・クーパー
獅子心王リチャード：イアン・ハンター

製作

本作は、ワーナー・ブラザースが当時製作した映画の中で、最高額の200万ドルの製作費が投入されました。また、テクニカラーで撮影した映画としても当時の最高額を記録しています。ロビン・フッド役にはジェームズ・キャグニーが予定されていましたが、彼の降板により、エロール・フリンが起用されました。撮影はカリフォルニア州各地で行われ、シャーウッドの森や弓腕大会などのシーンが撮影されました。

評価

『ニューヨーク・タイムズ』のフランク・ニュージェントは、「勇敢でロマンティック、そして色彩豊かな物語は、今年の最優秀賞の候補となるだろう」と評価しました。『フィルム・デイリー』は、主演のフリンを「理想的な選択」と評し、「最高のエンターテインメント」と絶賛しました。『ハリソンズ・レポート』は、「素晴らしいエンターテイメント」と称賛し、「冒険、ロマンス、コメディ、そして人間の魅力が全ての観客を満足させるために巧みに取り込まれている」と述べました。Rotten Tomatoesでは、44件のレビューが寄せられ、平均8.9/10点、支持率100%となっており、高評価を得ています。

アカデミー賞

受賞
美術賞：カール・ジュールズ・ウェイル
編集賞：ラルフ・ドーソン
作曲賞：エーリヒ・ウォルフガング・コルンゴルト
ノミネート
作品賞

文化的意義

『ロビンフッドの冒険』は、映画史に残る傑作として、1995年に「文化的、歴史的、芸術的に重要な映画」としてアメリカ国立フィルム登録簿に登録されました。本作は、その後の冒険映画やロビン・フッドを題材にした作品に大きな影響を与え、現在でも多くの人々に愛され続けています。美しい映像、迫力のあるアクションシーン、魅力的なキャラクターなど、あらゆる要素が高いレベルで融合した本作は、まさにエンターテイメントの粋と言えるでしょう。

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