ロビー・ロバートソン

ロビー・ロバートソン：音楽の多様性と革新を追求した生涯

ジェイミー・ロイヤル・"ロビー"・ロバートソン（1943年7月5日 - 2023年8月9日）は、カナダを代表するミュージシャンであり、ギタリスト、シンガーソングライターとして、その生涯を音楽に捧げました。ザ・バンドの主要メンバーとして世界的な名声を確立した後、ソロアーティストとしても独自の音楽性を追求し続けました。

生い立ちと音楽との出会い

ロバートソンは、オンタリオ州トロントで、ユダヤ人の父親とモホーク族の母親の間に生まれました。幼少期に父親を交通事故で亡くし、母親の手で育てられました。7歳でギターを手にし、カントリー、ロカビリー、ロックンロールに夢中になり、地元のアマチュアバンドで音楽の腕を磨きました。

ザ・ホークスからザ・バンドへ

1958年、ロカビリー歌手ロニー・ホーキンスのバックバンド、ザ・ホークスに加入。リチャード・マニュエルやリック・ダンコら、後のザ・バンドのメンバーとなる才能あるミュージシャンたちと出会います。当初はベースギターを担当していましたが、2年後にはリードギターに転向し、その才能を開花させました。

1965年、ボブ・ディランからコンサートでのリードギター演奏を依頼され、ザ・ホークスのメンバーと共にディランのバックバンドとしてツアーに参加。1966年には、ディランのアルバム『ブロンド・オン・ブロンド』のレコーディングにも参加し、その才能はディランからも高く評価されました。

1968年、ザ・ホークスはザ・バンドと改名し、『ミュージック・フロム・ビッグ・ピンク』を発表。ロバートソンは、ザ・バンドが1976年に解散するまで、リードギターと楽曲制作の中心を担い、バンドのリーダー的存在として活躍しました。しかし、音楽性やバンド運営を巡る意見の相違から、他のメンバーとの間に溝が生じ、1976年の解散へと繋がりました。

ソロ活動と新たな音楽性の探求

ザ・バンド解散後、ロバートソンはセッション・ギタリストや音楽プロデューサーとして活動する傍ら、映画音楽の分野にも進出。マーティン・スコセッシ監督作品の音楽監督を数多く務めました。

1987年には、ソロデビュー作『ロビー・ロバートソン』を発表。U2のメンバーやピーター・ガブリエルなど、豪華なゲストミュージシャンが参加し、大きな話題となりました。この作品以降、ロバートソンは自身のルーツであるネイティブアメリカンの音楽性を強く打ち出すようになります。

1994年には、テレビ番組『The Native Americans』の音楽を担当し、サウンドトラック・アルバム『ネイティヴ・アメリカン』を発表。インディアンの伝統音楽とテクノロジーを融合させた革新的な音楽性で、高い評価を得ました。

晩年と遺産

2003年には、カナダのWalk of Fameに名前が刻まれ、ローリング・ストーン誌の「歴史上最も偉大な100人のギタリスト」にも選出されるなど、その功績は広く認められました。2011年には、13年ぶりの新作『ハウ・トゥ・ビカム・クレアヴォヤント』を発表し、エリック・クラプトンなど、豪華ゲストを迎えて話題を呼びました。

2023年8月9日、ロサンゼルスの自宅で家族に見守られながら、80歳で永眠。ロビー・ロバートソンの音楽は、時代を超えて多くの人々に愛され、後世のミュージシャンたちに多大な影響を与え続けています。

ディスコグラフィー

1987年：ロビー・ロバートソン - Robbie Robertson
1991年：ストーリーヴィル - Storyville
1994年：ネイティヴ・アメリカン - Music for The Native Americans
1998年：コンタクト・フロム・ジ・アンダーワールド・オブ・レッド・ボーイ - Contact from the Underworld of Redboy
2011年：ハウ・トゥ・ビカム・クレアヴォヤント - How To Become Clairvoyant
2019年：シネマティック - Sinematic

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