ローラーボール

ローラーボール、または水性ボールペンは、その名の通り水性インクを使用する筆記具です。一般的に、油性ボールペンに比べて弱い筆圧で書くことができ、よりくっきりとした線を描けるのが特徴です。インクが水性であるため、にじみやすいというデメリットもありますが、万年筆に比べてインク詰まりなどのトラブルが少ないという利点もあります。

ローラーボールは、メーカーによっては油性ボールペンとは異なるカテゴリーとして扱われることがあります。例えば、日本のパイロット社では、油性ボールペンと水性ボールペンを合わせて「ボールペン」というカテゴリーに分類していますが、ヨーロッパのペリカン社などでは、水性ボールペンを「ローラーボール」と呼び、油性ボールペンとは区別しています。また、ゲルインクボールペンは、油性ボールペンよりも鮮明な線を描くことができ、ローラーボールよりもにじみにくいという特徴があります。そのため、ゲルインクペンをローラーボールと呼ぶこともあります。

ローラーボールの歴史

ローラーボールは、1960年代に日本で開発されました。以下に主な出来事をまとめます。

1964年: オート社が世界で初めて水性ボールペン「水性ボールペンW」を発売。
1967年: ぺんてるが世界初の樹脂製ボールチップを採用した水性ボールペン「ローリングライター」を発売。
1972年: ぺんてるが樹脂チップを採用した水性ボールペン「ボールぺんてる」を発売。
1979年: 三菱鉛筆が世界初のオール金属チップを採用した水性ボールペン「ユニボール」を発売。
1981年:
オート社がセラミックボールを採用した水性ボールペン「ceramic ballpen」を発売。
パイロットが「Vコーン」を発売し、ロングセラーとなる。
1982年: ゼブラが高精度水性ボールペン「Be-Pen」を発売。
1984年: トンボ鉛筆が国内初の顔料インクを使用した直液式水性ボールペン「モノボール」を発売。
1987年: ぺんてるがノック式水性ボールペン「ローリRC25」を発売。
1990年: オート社が世界初のSiC(シリコンカーバイド)セラミックをボールに採用した水性リフィル「C-300」を発売し、ロングセラーとなる。
1991年: オート社が自社初の耐水・耐光性顔料インクの直液式水性ボールペン「フリーインクローラー」を発売。
2008年: パイロットがノック式水性ボールペン「VボールRT」を発売。ペン先とボールの距離を近づけて、使用しないときはペン先のバネがボールを押し上げて蓋の役割をする仕組みを採用。
2013年: オート社が「C-300」リフィルに、世界で初めて乾きにくい改良を施したノンドライ水性リフィルを開発し、特許を取得。
2015年: 三菱鉛筆がペン先を樹脂製のソフトカバーで覆う水性ボールペン「ユニボール AIR」を発売。
2017年: オート社がノック式水性ボールペン「オー [O]」を発売。

主な国内メーカーと製品例

オート: CR01、GRAPHIC LINER など
ぺんてる: ボールPentel
三菱鉛筆: ユニボール
パイロット: Vコーン
トンボ鉛筆: ZOOM505
コクヨ: WP-F200ローラーボール

過去に製造していたメーカー

セーラー万年筆: ローリング
プラチナ万年筆: SURE POINT
ゼブラ: Be-Pen

ローラーボールは、その滑らかな書き心地と鮮明な線が魅力の筆記具です。各メーカーが独自の技術を駆使して開発しており、様々な種類があります。ぜひ、自分に合った一本を見つけてみてください。

関連情報

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