ワン・ハンド・クラッピング

『ワン・ハンド・クラッピング』（英語: One Hand Clapping）は、2024年に発表されたウイングスのスタジオ・ライヴ・アルバムであり、過去の貴重な録音が新たに音源化されました。このアルバムは、1974年8月に制作されたウイングスのドキュメンタリー番組のために録音されたもので、当時の情熱や音楽の雰囲気を余すところなく伝えています。

制作背景

本作は、1974年8月26日から30日までの5日間にわたり、ウイングスのセッションが行われた際に録音されました。ドキュメンタリーの撮影は、そのうちの4日間に行われ、ウイングスのメンバーは新たに迎え入れたギタリストのジミー・マッカロクとドラマーのジェフ・ブリトンと共に、アメリカのナッシュヴィルでのトレーニングを経てロンドンに戻ってきたばかりでした。

このアルバムは、基本的にはウイングスのメンバーだけによる演奏で構成されていますが、「ブルーバード」ではアルバム『バンド・オン・ザ・ラン』でお馴染みのハウィー・ケーシーが参加し、「007 死ぬのは奴らだ」には管弦楽団も加わりました。

一方で、制作されたドキュメンタリーはお蔵入りとなったため、これらの録音も長らく世に出ることがありませんでした。2003年にはアメリカ映画『セイブ・ザ・ワールド』のサウンドトラックで「007 死ぬのは奴らだ」が初めてリリースされ、その後も段階的に録音が公開されていくことになります。

アルバムの内容

『ワン・ハンド・クラッピング』は、2つのディスクから成り立っています。ディスク1には映像版で使用された14曲を収録し、ディスク2にはそれ以外の12曲が収録されています。また、ユニヴァーサル・ミュージック・ストア限定のアナログ・ボーナスディスクには、最終日にアビイ・ロード・スタジオの裏庭でマッカートニーが単独でレコーディングした6曲が含まれています。

収録曲

- CDには数々の名曲が並び、ウイングスの魅力が詰まっています。
- アナログLPとしてもリリースされており、アナログ形式にて楽しむことが可能です。

また、ユニバーサル・ミュージック・ストアからは、ボーナスディスク「The Backyard」が提供されており、追加の楽しみが詰まっています。

参加ミュージシャン

- ポール・マッカートニー：リード＆バッキング・ボーカル、各種楽器
- リンダ・マッカートニー：バッキング・ボーカル、シンセサイザー
- デニー・レイン：バッキング・ボーカル、ギター
- ジミー・マカロック：バッキング・ボーカル、ギター
- ジェフ・ブリトン：ドラムス
- ハウィー・ケーシー：サックス
- デル・ニューマン：指揮
- その他、多くのミュージシャンが参加しています。

チャート成績

アルバムは、リリース後に各種チャートで高評価を受けており、ウイングスの音楽の歴史に新たな足跡を刻みました。

映像版『ワン・ハンド・クラッピング』

映像版『ワン・ハンド・クラッピング』は、1974年に制作されたMPLコミュニケイションズが管理していたもので、元々は新生ウイングスのシングル「ジュニアズ・ファーム」のプロモーション目的で撮影されましたが、様々な理由からリリースされることはありませんでした。長い間お蔵入りとなったこの映像は、2010年には『バンド・オン・ザ・ラン』アーカイヴ・コレクションに特別収録され、2024年には新たに劇場公開されることが発表されました。

この劇場版は4Kリマスターされており、音声も明瞭化されるなど、現代の技術を駆使して再生されます。日本での公開は2024年9月26日で、特別上映が行われた後、通常上映が全国で始まる予定です。

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