ジミー・マカロック

ジミー・マカロック：早逝の天才ギタリスト

ジェームズ・「ジミー」・マカロック（1953年6月4日 - 1979年9月27日）は、スコットランド、グラスゴー出身のミュージシャン。ポール・マッカートニーのウイングスのリード・ギタリストとして最も有名ですが、それ以前にも数々のバンドで才能を発揮しました。

生い立ちと初期のキャリア

マカロックはダンバートンで生まれ、クライドバンクとカンバーノールドで育ちました。11歳でギターを始め、ジャンゴ・ラインハルトに影響を受けました。シャドウズのハンク・マーヴィンも彼を高く評価しました。

ワン・イン・ア・ミリオン

兄のジャック（ドラマー）と共にサイケデリック・バンド、The Jaygersを結成。後にワン・イン・ア・ミリオンと改名し、1967年にはロンドンのイベントに出演。ザ・フーのツアーのサポートも務め、2枚のシングルをリリースしました。

サンダークラップ・ニューマン：全英No.1へ

1969年、ザ・フーのピート・タウンゼントの友人とサンダークラップ・ニューマンを結成。「サムシング・イン・ジ・エアー」は全英シングルチャートで1位を獲得。当時15歳だった彼は、全英1位を獲得した曲を演奏した最年少のギタリストとなりました。

デビューアルバム『ハリウッド・ドリーム』(1970年)も発表しますが、「サムシング・イン・ジ・エアー」ほどの成功は収められず、バンドは1971年に解散します。

セッション活動とストーン・ザ・クロウズ

サンダークラップ・ニューマン解散後、ジョン・メイオール&ザ・ブルースブレイカーズのライブに参加。自身のバンド、ベント・フレーム（後にジミー・マカロック・バンド）を結成し、マウンテンのサポートとしてツアーも行いました。クラウス・フォアマン、ハリー・ニルソン、ジョン・エントウィッスルなど、数々のミュージシャンとのセッションも経験します。

1972年、ストーン・ザ・クロウズに加入。ギタリストのレスリー・ハーヴェイの事故死後、彼の後任としてアルバム『オンティニュアス・パフォーマンス』の制作に参加。しかし、バンドは1973年に解散しました。

ウイングス時代：世界的な成功

1974年1月、ポール・マッカートニーのウイングスに加入。「ジュニアズ・ファーム」が最初のシングルとなりました。マッカートニーがピアノやアコースティック・ギターを演奏する際には、ベース・ギターを担当。「ヴィーナス・アンド・マース」収録の「メディシン・ジャー」、「スピード・オブ・サウンド」収録の「ワイノ・ジュンコ」ではリード・ボーカルも担当しました。

ウイングス在籍中には、自身のバンド、ホワイト・ラインも結成し、シングルをリリース、テレビ出演も果たしています。

スモール・フェイセズ、そして突然の死

1977年9月、ウイングスを脱退し、再結成したスモール・フェイセズに加入。アルバム『78イン・ザ・シェイド』でギターを演奏しました。その後、ワイルド・ホーセズ結成に参加しますが、すぐに脱退。1979年にはザ・デュークスに参加し、最後の曲「Heartbreaker」を録音しました。

しかし、1979年9月27日、ロンドンの自宅でヘロインの過剰摂取により死去。26歳という若さでした。

音楽性

マカロックは、メロディックでブルースの影響を強く受けたギタリストとして知られています。ギブソン・SGやギブソン・レスポールを愛用していました。

ディスコグラフィー

サンダークラップ・ニューマン: Hollywood Dream (1970)
ストーン・ザ・クロウズ: Ontinuous Performance (1971)

ジミー・マカロックは、短い生涯の中で数々のバンドを渡り歩き、その才能を発揮しました。彼の音楽は、今も多くの人々に愛され続けています。

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