一粒万倍日

一粒万倍日とは

一粒万倍日（いちりゅうまんばいび、いちりゅうまんばいにち）は、日本の暦に特有の選日のひとつです。この考え方は、古代中国の占術である「萬年暦（または萬年農民暦）」には見られず、日本で独自に発展したものです。

一粒万倍日の由来と意味

選日自体は「萬年暦」を基にしていますが、一粒万倍日は日本で独自に作られたもので、その信憑性は定かではありません。「一粒万倍」とは、一粒の籾（もみ）が万倍にも実る稲穂になるという意味で、この日に始めたことは大きな成果に繋がるとされています。

一粒万倍日は、特に何かを始めるのに良い日とされ、仕事始め、開店、種まき、お金を出すことなどが吉とされています。しかし、借金をしたり、人から物を借りたりすることは、苦労の種が万倍になるため凶とされます。また、同じ意味合いで、借りを作る、失言をする、他人を攻撃する、浪費などもトラブルが倍増するため避けるべきとされています。

他の暦注との関係

一粒万倍日は、他の暦注と重なる場合があります。吉日と重なると一粒万倍日の効果が増し、凶日と重なると効果が半減すると考えられています。

歴史

一粒万倍日は、日本の宣明暦時代には暦に記載されていましたが、地方によっては記載されていないものもありました。貞享暦以降は暦注から外されましたが、新暦が普及してから民間暦に掲載されるようになりました。また、宝くじ売り場では「本日は一粒万倍日」と掲示しているところもあり、購入した金額が何万倍にも増えることを期待されています。

一粒万倍日の日取り

一粒万倍日は節切りで、特定の日が定められています。

注意点

一粒万倍日は、何かを始めるのに良い日ですが、全てが良いというわけではありません。借金や浪費など、避けるべき行為も存在します。一粒万倍日の意味を理解し、行動することが大切です。

参考文献

* 岡田芳朗、阿久根末忠『現代こよみ読み解き事典』柏書房、1993年。ISBN 4-7601-0951-X。

もう一度検索