三上氏

三上氏の系譜と歴史

三上氏（みかみし）は、日本の古代から続く氏族であり、主に近江国三上郷を本拠地としています。この一族は、近江国野洲郡三上郷に住み、御上神社の神職を担っていたとされ、「御上祝」とも称されます。

この氏族は、天照大神の三男である天津彦根命の嫡流であると主張し、天津彦根命の子神である天之御影命が三上山に降臨したことからその歴史が始まると伝えられています。『御上神社沿革考』には、この三上山が天照大神の両親である伊弉諾命と伊邪那美命の墳墓であるとの記述も残されています。

古文書における三上の記録

古代文書において、「三上」の名は『六国史』や『日本後紀』『日本三代実録』などに見られますが、近江国とのつながりは薄く、多くは備後国や他の国に関連した記述がほとんどです。近江に関連する記録は『日本三代実録』の貞観7年（865年）および貞観17年（875年）の条における「三上神」のみです。これにより、三上という名の由来は、地名や人名から派生したことが示唆されています。

吾妻鏡に見られる三上氏

『吾妻鏡』の文治元年（1185年）には、源頼朝の命令を受けた討伐軍に参加した土佐坊昌俊の部隊に、弟三上家季の名が記録されています。三上家季は近江の武士であると考えられています。

因幡国の三上氏

因幡の三上氏は、巨濃郡岩井庄を所領としていたとされ、但馬山名氏から派遣された代官とする見方があります。康正2年（1456年）からその存在が確認され、文献に登場する三上周通は「近江入道」と名乗っており、室町時代中期にその活動があったと考えられます。その後、世代が下るにつれてこの一族は歴史の中で忘れられ、『因幡民談記』の著者である小泉友賢もその少なさから異なる系統と間違えて記述してしまった経緯があります。

考察と混在

山名氏が六角氏討伐のために三上館という陣屋を設立したことが、天津彦根命の嫡流三上氏と関わりがあるのかもしれないとの考察もあります。また、清和源氏系や宇多源氏との関係も見られ、これらの系統から分派している三上氏も存在します。

総括

三上氏は日本の歴史の中で非常に多様な系譜を持つ氏族であり、その発展は地域によって大きく異なります。それぞれの三上氏は、その地域の歴史と密接に関連しており、様々な文献によってその一部が明らかにされています。近年になって新たな資料が発見され、先代の誤った認識が訂正されつつある中、三上氏の時代を反映する詳細な研究が今後の課題となるでしょう。

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