上北沢駅

上北沢駅：歴史と街並みを繋ぐ京王線の駅

東京都世田谷区上北沢四丁目に位置する京王電鉄京王線上北沢駅は、長い歴史と地域住民の生活に密着した駅です。1913年、京王電気軌道によって「上北沢駅」として開業しましたが、その後「北沢駅」へと改称、さらに1932年には再び「上北沢駅」に戻されています。この改称劇は、近隣に存在する駅との名称重複を避けるための措置でした。

1944年には東京急行電鉄（現・東急電鉄）の傘下に入り、1948年には京王帝都電鉄（現・京王電鉄）へと経営が移行。その後、1993年には地下駅舎が完成し、従来の地上駅舎と構内踏切が廃止されました。さらに、1994年には10両編成に対応したホームが完成、2007年にはエレベーターの新設によりバリアフリー化が推進されました。2014年には連続立体交差事業が着手され、駅周辺の環境整備も進んでいます。

駅名の由来は、開業当時の所在地が荏原郡松沢村上北沢であったことにあります。「上北沢」という地名は、下北沢村（現在の世田谷区北沢など）と対比して名付けられた歴史的な地名です。

駅構造と利用状況

上北沢駅は、島式ホーム1面2線を有する地上駅ですが、駅舎自体は地下にあります。下り線が直線、上り線は曲線を描く構造となっています。バリアフリー化の一環として、2007年にはエレベーターが設置され、ホームへのアクセスが容易になりました。トイレは駅舎内に設置され、かつてはユニバーサルデザインに配慮した「だれでもトイレ」も設置されていましたが、改修工事により移転しています。

かつては、島式ホームに隣接して新宿方上下線間に駅舎があり、構内踏切で連絡していましたが、現在の地下駅舎への移転に伴い廃止されました。将来的な高架化後も、島式ホーム1面2線の構造は維持される予定です。

2023年度の1日平均乗降人員は約14,265人で、近年は減少傾向にあります。

駅周辺の環境

上北沢駅は、西隣の八幡山駅とわずか600mしか離れていないため、当駅から八幡山駅のホームを見渡すことができます。駅周辺には、上北沢小学校、サミットストア上北沢店、上北沢区民センター（上北沢児童館・上北沢図書館）、東京都立松沢病院、賀川豊彦記念・松沢資料館、NTT上北沢ビルなどの施設があります。また、国道20号（甲州街道）、首都高速4号新宿線も近くを通っています。

バス路線も充実しており、京王バス「すぎ丸」のさくら路線や、その他の路線バスが利用可能です。

隣の駅

上北沢駅の隣駅は、桜上水駅と八幡山駅です。特急、急行、区間急行、快速は通過します。

まとめ

上北沢駅は、歴史と現代が調和した、地域に根付いた駅です。周辺環境も整備され、利便性も向上しています。これからも地域住民の生活を支える重要な拠点として、その役割を果たしていくでしょう。

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