上石津郡

上石津郡について

上石津郡（かみいしづぐん）は、岐阜県に位置した歴史的な郡であり、1879年に行政区画として設立されました。郡の発足当初は、今の大垣市の一部である上石津町と、養老郡養老町の一部（沢田）がその領域に含まれていました。ここでは、上石津郡の歴史的な経緯やその形成過程について解説します。

郡域とその形成の背景

上石津郡は明治時代に設立され、主に当時の行政区画とともに維持されていました。具体的には、1879年に岐阜県で郡区町村編制法が施行されると、上石津郡が正式に誕生し、多芸上石津郡役所が多芸郡の島田村に設置されました。この役所は、当初は多芸郡と一緒に管轄されていました。

歴史的な経過

上石津郡が成立するまでの歴史は複雑であり、幕府の支配下にあった地域が転変する様子が見て取れます。1868年の慶応4年4月に、幕府領や旗本領が笠松裁判所の管轄となり、その後、笠松県に移管されるなどの変遷を経験しました。また、名古屋藩からの領地替えもあり、特に明治初年には名古屋藩領の一部が衰退しました。

さらに、明治4年には新たに名古屋県や大垣県、今尾県が設立され、1869年に笠松県との統合も行われました。そして1879年に上石津郡が正式に発足しました。これは、郡制が導入され、岐阜県全体の行政整理が進んだ結果でもあります。

郡制の導入と変遷

明治22年（1889年）には町村制が施行され、冠村や時山村などが新たに発足しました。これに伴い、郡内の村の統合や改名も多く見られました。例えば、冠村は時村に改名され、郡内の村々の再編が進められました。

その後も上石津郡は変遷を続け、1897年には養老郡が発足し、上石津郡はその管轄区に吸収される形で廃止されました。これは地域の行政機構が近代化し、合理化される過程の一環として位置づけられます。

結論

上石津郡は岐阜県の中で特に歴史的な深みを持つ地域で、その設立から廃止までの経緯は当時の日本の歴史における大きな転換点を反映しています。地元の住民にとって、上石津郡は地震や戦争の影響を受けることなく、今日まで続く地域社会を築く基盤となりました。現在ではその存在は消えましたが、地域の文化や歴史的な名残は今も形を変えながら生き続けています。

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