笠松県

笠松県について

笠松県は、1868年（慶応4年）に明治政府によって、美濃国内の幕府領および旗本領を管轄するために設置された県です。この地域は、現在の岐阜[[県]]南部に広く分布しています。美濃国は、関ヶ原の戦い後、幕府によって有力な大名の出現を防ぐため、10万石未満の多数の藩と幕府直轄領に分割されていました。その結果、美濃国の約3割が幕府直轄領となり、美濃郡代が置かれていました。

成立と変遷

1868年（慶応4年）1月、朝廷の命を受けた東山道鎮撫使の竹沢寛三郎によって笠松陣屋は天朝御用所に改められ、その後、笠松裁判所を経て笠松県へと組織が変更されました。しかし、1871年（明治4年）の廃[[藩置県]]後の第1次府県統合によって、美濃国内の9県が岐阜[[県]]に統合されたことに伴い、笠松県は廃止されました。なお、笠松陣屋には1873年（明治6年）まで岐阜[[県]]庁が置かれ、笠松県知事であった長谷部恕連は、引き続き岐阜[[県]]令を務めました。

沿革

1868年（慶応4年）
4月15日：明治政府が、美濃郡代が置かれていた笠松陣屋に笠松裁判所を設置。
閏4月25日：笠松裁判所を廃止し、笠松県を設置。
1869年（明治2年）8月2日：伊勢国内の笠松県と大津[[県]]（旧信楽代官所）の管轄区域を度会[[県]]に編入するよう太政官から達示。
1870年（明治3年）2月3日：伊勢国内の管轄区域が度会[[県]]に引き渡される（一部は長島藩に編入）。
1871年（明治4年）11月22日：第1次府県統合により、美濃国の9県が合併して岐阜[[県]]が成立。同日、笠松県は廃止。

管轄地域

笠松県は、美濃国内の以下の郡を管轄していました。これらの地域は、幕府領、旗本領、大垣[[藩]]領、名古屋藩領、磐城平[[藩]]領などが複雑に入り組んでいました。

席田郡
多芸郡の一部
石津郡の一部
不破郡の一部
安八郡の一部
池田郡の一部
大野郡の一部
本巣郡の一部
方[[県郡]]の一部
厚見郡の一部
各務郡の一部
山県郡の一部
郡上郡の一部
加茂郡の一部
可児郡の一部
土岐郡の一部
恵那郡の一部
羽栗郡の一部
中島郡の一部
海西郡の一部
武儀郡の一部

なお、相給が存在したため、村数の合計は一致していません。

歴代知事

笠松裁判所

1868年（慶応4年）4月15日 - 1868年（慶応4年）閏4月21日：総監・大原重徳（元公家）
1868年（慶応4年）4月15日 - 1868年（慶応4年）4月25日：不在

笠松県

1868年（慶応4年）閏4月25日 - 1868年（慶応4年）5月19日：知事・内田盛徳
1868年（慶応4年）5月19日 - 1868年（慶応4年）6月28日：知事・長谷部恕連（元福井[[藩]]士）
1868年（慶応4年）6月28日 - 1868年（慶応4年）8月20日：知事・林左門（元名古屋藩士）
1868年（慶応4年）8月20日 - 1870年（明治3年）10月9日：権知事・長谷部恕連
1870年（明治3年）10月9日 - 1871年（明治4年）11月22日：知事・長谷部恕連（前笠松県権知事）

関連項目

美濃郡代
飛騨郡代 、高山県 - 隣接する飛騨国を管轄
* 岐阜[[県]]

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