下丸子駅

下丸子駅：多摩川沿いの歴史と文化が息づく駅

東京都大田区下丸子三丁目に位置する東急電鉄東急多摩川線の下丸子駅は、1924年（大正13年）5月2日に目黒蒲田電鉄の駅として開業しました。駅番号はTM04です。長い歴史の中で、幾度かの変化を遂げながら、地域住民の生活に寄り添い続けてきました。

歴史を刻む駅舎

開業から100年近くの時を経て、下丸子駅は何度かの改修工事を経ています。1998年（平成10年）10月には無人駅化され、蒲田駅から遠隔操作されるようになりました。2000年（平成12年）8月6日には、目蒲線の分割により東急多摩川線の駅となり、それに伴い駅舎の大規模改修が行われました。近未来的なデザインの鉄骨造りの駅舎へと生まれ変わり、バリアフリー化や改札口増設、そして構内踏切の廃止も実現しました。これらの改修により、より快適で安全な駅へと進化を遂げています。駅売店「toks」は2010年（平成22年）9月30日に閉店しました。

駅名の由来は、駅所在地がかつて丸子荘の一部（下部地域）であり、開設当時は荏原郡矢口村大字下丸子であったことに由来します。

駅構造と利用状況

下丸子駅は、相対式ホーム2面2線を有する地上駅です。両ホームに改札口が設置され、かつては構内踏切によりホーム間の移動が可能でしたが、現在は廃止されています。駅務室は多摩川方面ホーム、トイレは蒲田方面ホームに設置され、自動改札機と自動精算機も完備しています。駅南側には本線から事業用車両の留置線が分岐しています。

2023年度（令和5年度）の1日平均乗降人員は約3万人を超え、東急多摩川線の駅の中では最多となっています。これは周辺地域におけるマンション建設などの開発や、ガス橋周辺に位置する大規模企業の存在による通勤・通学利用者の増加が要因です。

多彩な周辺環境

下丸子駅周辺は、生活利便性と自然が調和した環境です。キヤノン本社をはじめ、大田区民プラザ、大田区役所鵜の木特別出張所、矢口消防署下丸子出張所などの公共施設、大田下丸子郵便局といった生活関連施設が立地しています。また、目蒲病院、大田区立矢口西小学校などの医療・教育機関も近隣にあります。

歴史を感じさせる昭和のくらし博物館や、武家屋敷門（東京都指定有形文化財）などの文化施設、そして多摩川に架かるガス橋も魅力的なポイントです。ショッピング施設としては西友、オリンピック、東武ストアなどのスーパーマーケットがあり、日々の生活に必要なものが揃います。さらに、多摩川ガス橋緑地や下丸子公園といった緑豊かな空間も存在し、自然と触れ合うこともできます。

交通アクセスとしては、東急バスや大田区コミュニティバス「たまちゃんバス」が利用可能です。かつては、渋谷駅や大森駅方面へのバス路線も存在していましたが、現在は廃止されています。

アートと歴史が融合する空間

2007年（平成19年）には多摩川アートラインプロジェクトが実施され、ハービー・山口氏による地域の写真作品や、渡辺元佳氏による「ぼたん」などのアート作品が駅周辺に飾られています。下丸子駅は、歴史と現代アートが融合した独特の空間を醸し出しています。

隣の駅

下丸子駅の上下両隣の駅は、鵜の木駅と武蔵新田駅です。

下丸子駅は、歴史と現代が調和し、人々の生活と文化が息づく、魅力的な駅です。今後ますますの発展が期待されます。

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