下野竜也

下野竜也（しもの たつや）

1969年12月25日生まれ、鹿児島県鹿児島市出身の日本の指揮者。
広島交響楽団音楽総監督、広島ウインドオーケストラ音楽監督、NHK交響楽団正指揮者を務める。

生い立ちと音楽への道

下野竜也は、鹿児島市立田上小学校、鹿児島市立武中学校、鹿児島県立甲南高等学校を経て、鹿児島大学教育学部音楽科を卒業。当初は社会科教師を目指していたが、音楽への情熱から指揮者の道へ進むことを決意。桐朋学園大学音楽学部附属指揮教室で指揮を学び、その後、イタリアのキジアーナ音楽院指揮科でディプロマを取得した。

プロとしてのキャリア

1997年から1999年まで、朝比奈隆音楽監督時代の大阪フィルハーモニー交響楽団で指揮研究員を務めた後、1999年に文化庁派遣芸術家在外研修員に選ばれ、ウィーン国立音楽大学に留学。2000年には東京国際音楽コンクールで優勝、2001年にはブザンソン国際指揮者コンクールでも優勝を果たし、その才能を国際的に認められた。

2008年には、NHK交響楽団やサイトウ・キネン・オーケストラを指揮。特にサイトウ・キネン・オーケストラでは、小澤征爾の代役としてカーネギーホールでのコンサートを指揮するなど、その実力は高く評価されている。

国内外での活躍

下野竜也は、国内の主要オーケストラを多数指揮する一方で、ヨーロッパでも積極的に活動を展開。2003年にはデビューCDとして『大栗裕作品集』をリリースし、2004年には川久保賜紀との共演でヴァイオリン協奏曲のCDをリリース。2006年には大阪フィルハーモニー交響楽団とのブルックナー交響曲第0番のCDも発表した。

2006年には読売日本交響楽団の正指揮者に就任し、2007年から2012年にかけて、日本人指揮者として初めてドヴォルザークの交響曲全曲演奏を成し遂げた。その後、首席客演指揮者も務めた。

2009年には、チェコ・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会に客演し、その模様はライブ録音としてCD化されている。

2011年には、広島ウインドオーケストラの音楽監督に就任し、吹奏楽の分野でもその才能を発揮している。

2014年から2020年まで京都市交響楽団の常任客演指揮者、常任首席客演指揮者を歴任。

2017年より広島交響楽団音楽総監督を務め、2023年10月にはNHK交響楽団正指揮者に就任。2024年4月からは広島交響楽団桂冠指揮者、札幌交響楽団首席客演指揮者にも就任した。

教育活動

2007年から2016年まで上野学園大学音楽学部教授を務め、後進の育成にも力を注いだ。また、2017年から2023年まで京都市立芸術大学音楽学部教授を務めた。

スタイル

下野竜也の指揮の特徴は、楽譜の丹念な読み込みと研究に基づいた、緻密で情熱的な音楽表現にある。その音楽に対する真摯な姿勢は、多くの音楽家から尊敬を集めている。

受賞歴

2002年：第10回渡邉暁雄音楽基金音楽賞
2002年：第12回出光音楽賞
2006年：第17回新日鉄音楽賞フレッシュアーティスト賞
2007年：第6回齋藤秀雄メモリアル基金賞
2013年：第63回芸術選奨文部科学大臣賞
2013年：第46回MBC賞
2014年：第44回東燃ゼネラル音楽賞奨励賞
2016年：第67回南日本文化賞特別賞

参考文献

南日本新聞『鹿児島市史 第五巻』鹿児島市長 森博幸、2015年。
ONTOMO MOOK『世界の指揮者名鑑866』音楽之友社、2010年。

外部リンク

下野竜也 オフィシャルサイト
所属事務所 株式会社AMATI
* 読売日本交響楽団 公式サイト

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