下関北九州道路

下関北九州道路について

下関北九州道路（しものせききたきゅうしゅうどうろ）は、山口県下関市彦島から福岡県北九州市小倉北区までを結ぶ約8キロメートルに及ぶ地域高規格道路の候補路線です。この道路は通称「下北道路」とも呼ばれています。現在、全線が候補路線の状態であり、実際に建設に取り掛かるには計画路線としての格上げが必要です。海上部分、及び前後の取り付け部は関門海峡道路や第二関門橋と呼ばれる部分にあたります。

概要と背景

関門海峡を横断する主要な交通インフラとして、関門橋、関門国道トンネル、関門鉄道トンネル、新関門トンネルが存在しますが、特に関門橋（1973年開通）や関門国道トンネル（1958年開通）では経年劣化や修理工事による渋滞が頻繁に発生しています。さらに、関門鉄道トンネルを除く、これらの交通手段は壇ノ浦から門司港方面に通じているため、異常気象や突発的な出来事が発生した際には、代替交通手段が確保できない状況が生じる恐れがあります。

こういった状況を解決するために、新たな交通網の整備が求められています。最初の構想は1980年代後半に「北九州地域産業・港湾都市計画調査」で示され、1991年には関門海峡道路整備促進期成同盟会が結成されました。その後、国もこのプロジェクトを第五次全国総合開発計画における「海峡横断プロジェクト」の一つとして位置づけて調査を進めましたが、2008年には一時中断されました。近年、地域の声や交通施設の老朽化に対する懸念から、2017年以降再び調査が開始されました。

2020年12月には、彦島と日明間を橋梁で結ぶルート案が国土交通省の審議会で承認され、今後の都市計画や環境アセスメントの手続きが進められる予定です。この道路の開通は、関門橋や関門トンネルの代替ルートとして、交通ネットワーク全体の信頼性向上に寄与することが期待されています。

沿革

• - 1980年代後半: 最初の構想が浮上。
• - 1987年: 第四次全国総合開発計画において、本州と四国との交通体系を検討する旨が記載される。
• - 1991年: 関門海峡道路整備促進期成同盟会設立。
• - 1994年: 下関福岡連絡道路が地域高規格道路の候補に。
• - 2014年: 名称が下関北九州道路整備促進期成同盟会へ変更。
• - 2017年: 国が調査費を組織し、調査を再開。
• - 2020年: 海峡部を吊橋でつなぐ案が承認。
• - 2021年: 環境影響評価及び都市計画決定に向けた調査が始まる。

影響と課題

下関北九州道路の建設が進むことで、これまでの老朽化した交通インフラの負担を軽減し、安定した交通基盤を提供することができるでしょう。しかし、海峡部には活断層が存在するため、危険物を搭載した車両の通行を考慮した適切な設計が求められます。また、政治的な背景や予算の確保といった課題も残っています。

この道路計画は地域経済の発展や利用者の利便性向上にだけでなく、災害時の代替ルート確保という観点からも重要な意義を持っています。

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