中原街道

中原街道について

中原街道（なかはらかいどう）は、神奈川県平塚市と東京都江戸を結ぶ重要な交通路です。この道は、多摩川を丸子で渡り、相模国と武蔵国を結ぶ役割を果たしてきました。成立は古代に遡り、もともとは東海道の一部として様々な人々が利用していたとされています。

歴史的背景

中原街道は、相模国の国府から武蔵国に至る道として古代から存在していました。具体的には、相模国の衙（郡衙）を経て丸子で多摩川を渡り、江戸に至るルートが確立されていました。歴史的に見ても、この道は延喜式に定められた東海道の一部に含まれていた可能性があり、非常に古くから人々に利用されていた道であることがうかがえます。

中世には、鎌倉幕府の時代に日蓮がこの道を利用したとされ、中原街道の利用は広がっていきました。その後、後北条氏の時代に本格的な整備が行われ、狼煙を上げた地点を目印に道が切り開かれることで、比較的直線的な道となったことが特徴です。具体的な地点として「横浜市旭区の今宿南町」や「上川井の大貫谷」などが挙げられます。

1590年には、徳川家康が江戸に入る際にもこの中原街道を利用したと伝えられています。

江戸時代の重要性

江戸時代に入り、東海道の整備が進むに従って、中原街道は江戸虎ノ門と平塚中原を結ぶ脇街道としての重要性が増しました。この時期から「中原街道」という名称が定着し、さらには相州街道、お酢街道、江戸間道、小杉道、こやし街道といった別称も生まれました。

この道は、将軍の駿府往還や鷹狩りの際にも利用されたため、その重要性が高まっていきました。また、中原街道は東海道が整備された後も、東海道を通らずに江戸と平塚を直接結ぶ最短ルートとして利用され続けました。特に、庶民や商人にとっては、東海道の大名行列を避けるための便利な選択肢となりました。

赤穂浪士が江戸入りする際にも、この中原街道を選んだとされ、庶民生活においても広く利用されてきました。整備後の現在でも、江戸時代のルートとは多少異なる点があれど、主要地方道として機能しています。

宿場と継立場

中原街道には宿場町が設けられることは少なかったため、東海道のような宿駅は存在せず、荷物の受け渡しを行う継立場がいくつか設けられたことが特徴です。特に以下の地点がその継立場として知られています：

• - 小杉（神奈川県川崎市中原区）
• - 佐江戸（神奈川県横浜市都筑区）
• - 瀬谷（神奈川県横浜市瀬谷区）
• - 用田（神奈川県藤沢市）

これらの地点では、街道を行き交う人や物の流れがあり、それぞれが重要な役割を担っていました。

現在の状況

現在、中原街道は国道1号桜田通りから東京都道・神奈川県道2号線及び神奈川県道45号線に相当し、相模川を渡る際には高座郡寒川町から田村の渡しまたは四之宮の渡しにアクセスすることができます。平塚市御殿へ続くこの道は、今もなお利用されています。中原街道は過去の歴史と文化を今に伝える重要な交通路であり、地域の人々にとって特別な意味を持っています。

もう一度検索