中川浩一

中川浩一：交通地理学、産業考古学、そして鉄道への情熱

中川浩一（なかがわ こういち、1931年7月17日 - 2008年8月19日）は、日本の地理学者であり、茨城大学の名誉教授を務めました。彼の専門は交通地理学と産業考古学であり、夏目漱石や森鷗外といった文豪の研究者、そして熱心な鉄道ファンとしても知られていました。鉄道雑誌「鉄道ピクトリアル」の編集委員を務めるなど、その活動は多岐に渡りました。

生涯

中川浩一は東京市（現在の東京都）で生まれました。父方の祖父は中川元という家系に育ちました。

1950年に東京都立西高等学校を卒業後、東京教育大学（現在の筑波大学）に進学し、1954年に理学部地理学専攻を卒業しました。卒業後は東京都渋谷区立代々木中学校の教諭となります。

1957年には東京教育大学大学院に進み、理学研究科修士課程を修了。その後、茨城県立水戸第一高等学校の教諭を経て、1958年には東京教育大学附属中学校・高等学校（現在の筑波大学附属中学校・高等学校）の教官となりました。

1961年からは東京教育大学の講師を兼任し、1974年に茨城大学教育学部の助教授に就任。1982年には同大学の教授へと昇進しました。

1997年に茨城大学を定年退官し、流通経済大学経済学部の教授となりました。また、茨城大学からは名誉教授の称号が贈られています。2002年には流通経済大学も定年退職しました。

2008年8月19日、神奈川県相模原市内の病院で逝去。享年77歳でした。

鉄道研究への貢献

中川浩一は、鉄道研究にも深く関わっていました。1981年6月16日には、茨城大学人文学部社会科学科教授の小林三衛と共に、茨城大学鉄道研究会の顧問に就任。1997年から2002年まで流通経済大学鉄道研究会の顧問を務め、後進の指導に尽力しました。1990年4月1日には、茨城大学鉄道研究会OB会の名誉顧問にも就任しています。

著書と研究

中川浩一は、交通、鉄道、旅行、産業考古学に関する多数の著作を残しました。

著書

『旅の文化誌－ガイドブックと時刻表と旅行者たち』（1979年、伝統と現代社）
『茨城県鉄道発達史』上・下、合本（1980年、筑波書林）
『茨城の民営鉄道史』上・中・下、合本（1980年、筑波書林）
『茨城県鉄道余話』上・下（1981年、筑波書林）
『鉄道記念物の旅』（1982年、クオリ）
『保存蒸気機関車と鉄道博物館』（1982年、クオリ）
『地下鉄の文化史』（1984年、筑摩書房）
『地下鉄物語』（1985年、ジャルパック・センター）
『観光の文化史』（1985年、筑摩書房）
『茨城県水力発電誌』上・下（1985年、筑波書林）
『水戸の電気のルーツをたずねて』（1985年、東京電力水戸営業所）
『バスの文化史』（1986年、筑摩書房）
『絵はがきの旅・歴史の旅』（1990年、原書房）
RM LIBRARY63 『茨城交通水浜線』 （2004年、ネコ・パブリッシング）

編著

『点と線のヨーロッパ』（1969年、古今書院）
『産業遺跡を歩く－北関東の産業考古学』（1978年、産業技術センター → クオリ）
* 『近代アジア・アフリカ都市地図集成』（1996年、柏書房）

共著、共編著、社史監修、分担執筆

その他、多数の共著、共編著、社史の監修、分担執筆を手がけました。

雑誌投稿

鉄道趣味雑誌や研究誌への寄稿も多数あり、その知識と情熱を多くの人々と共有しました。

中川浩一は、交通地理学、産業考古学、鉄道研究という幅広い分野で多大な貢献をした人物でした。彼の研究や著作は、今もなお多くの人々に影響を与え続けています。

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