中部建築賞

中部建築賞：中部地方の建築文化を彩る賞

中部建築賞は、中部地方（愛知、岐阜、三重、静岡、富山、石川、福井の7県）と滋賀県における優れた建築物を称える賞です。建築主、設計者、施工者の3者を対象とし、建築界の更なる発展に貢献しています。

歴史と概要

1969年度（昭和44年度）に始まった中部建築賞は、2018年度（平成30年度）に50周年を迎えました。半世紀にわたり、4515作品もの応募があり、そのうち1020作品が受賞という輝かしい歴史を誇ります。広域を対象とした建築賞としては全国的にも稀有な存在であり、高い権威と評価を得ています。中部地方各県の建築士会などで構成される中部建築賞協議会が運営を担っています。

部門

中部建築賞は、大きく分けて一般部門と住宅部門の2つの部門で構成されています。

一般部門: 公共施設、文教施設、生産施設、商業施設、福祉施設、集合住宅、団地計画、都市開発、都市公園など、多様な建築物を対象としています。さらに、延べ面積2000㎡以上を一般部門A、2000㎡未満を一般部門Bとして分類し、より詳細な評価を可能にしています。

住宅部門: 住宅建築に焦点を当てた部門です。一般部門と同様に、建築の質やデザイン性などを多角的に評価します。

受賞内容

各部門において、入賞、入選、特別賞が選出されます。入賞作品は、建築デザイン、機能性、環境への配慮、技術革新などの観点から厳正な審査を経て選ばれます。特別賞は、特に優れた業績や独創性、社会貢献性の高い作品に贈られます。

受賞作品と審査委員長

中部建築賞の受賞作品は、中部建築賞協議会のウェブサイトや記念誌などで確認することができます。過去の受賞作品は、建築史における貴重な資料として、今後の建築設計の参考にもなっています。

審査委員長には、日本の建築界を代表する著名な建築家が歴任しています。各時代の建築トレンドや思想を反映した選考が行われ、中部建築賞の権威を高めてきました。過去の審査委員長には、市浦健氏、松田軍平氏、大江宏氏、海老原一郎氏、芦原義信氏、菊竹清訓氏、大谷幸夫氏、鬼頭梓氏、高橋靗一氏、阪田誠造氏、香山壽夫氏、藤木忠善氏、高宮眞介氏、仙田満氏、新居千秋氏、栗生明氏、大野秀敏氏などが名を連ねています。

中部建築賞の意義

中部建築賞は、単なる建築コンクールにとどまらず、地域社会の発展に貢献する建築を促進し、建築文化の向上に大きく寄与しています。受賞作品は、そのデザイン性や機能性のみならず、社会への影響力も考慮され、選定されます。建築関係者にとって名誉ある賞であると同時に、地域住民にとっても誇りとなる存在です。受賞作品は、地域のランドマークとなるだけでなく、人々の生活を豊かにする建築のモデルケースとなっています。今後とも、中部建築賞は、優れた建築を広く表彰し、建築文化の更なる発展に貢献していくでしょう。

もう一度検索