久米田駅

久米田駅（くめだえき）

久米田駅は、大阪府岸和田市大町に位置する、西日本旅客鉄道（JR西日本）が管轄する阪和線の駅です。駅には「JR-R38」という駅番号が付与されています。

歴史

当駅の歴史は、1930年（昭和5年）6月16日に阪和電気鉄道が和泉府中駅から阪和東和歌山駅（現在の和歌山駅）まで延伸開業した際に、その途中の駅として開設されたことに始まります。その後、鉄道会社の統合・国有化といった時代の流れの中でその所属を変遷させてきました。1940年（昭和15年）12月1日には南海鉄道に吸収合併され、同社の山手線所属となります。太平洋戦争中の1944年（昭和19年）5月1日には、戦時買収によって国有化され、運輸通信省（後の国鉄）の阪和線となりました。駅舎は1955年（昭和30年）3月に改築されています。

鉄道貨物の取り扱いは1961年（昭和36年）10月1日に廃止され、その後も荷物扱いが1985年（昭和60年）3月14日に終了するなど、旅客輸送に特化した駅へと変化していきます。1987年（昭和62年）4月1日の国鉄分割民営化に伴い、JR西日本の駅となりました。近代化も進められ、1993年（平成5年）7月1日には初代阪和線運行管理システムが導入され、1998年（平成10年）6月4日には自動改札機が設置されて運用を開始しました。ICカードの利用も可能となり、2003年（平成15年）11月1日からはICOCAのサービスが利用できるようになっています。2013年（平成25年）9月28日には阪和線運行管理システムが二代目に更新され、これにより駅前後の信号機が絶対信号機となったため、かつて絶対信号機を持たなかった「停留所」ではなくなりました。2018年（平成30年）3月17日には駅ナンバリングが導入され、正式に「JR-R38」という番号が使用開始されました。近年では、2023年（令和5年）9月25日に新しい西口駅舎の供用が始まりましたが、一方でみどりの窓口は2024年（令和6年）11月30日をもって営業を終了しています。

駅構造

久米田駅は地上駅であり、線路を挟んで相対する形のホームが2面、それぞれに線路が1本ずつ割り当てられた計2線（2面2線）の構造を持っています。前述の通り、運行管理システムの更新により絶対信号機が設置されたため、停留所としての形態ではなくなっています。また、保線作業のために使用される側線が、駅の和歌山方面側に分岐し、各ホームの裏側に伸びています。これは、阪和電気鉄道時代に速達列車の待避や春木競馬場への臨時列車運転・臨時停車に対応するため、当駅がかつて2面4線構造で待避が可能だったことの名残です。しかし、南海鉄道時代に競馬輸送が中止され、国鉄時代には待避機能が和泉府中駅と東岸和田駅に集約されたため、これらの待避線は撤去されました。

駅舎は、和歌山方面行きのホームの天王寺寄りに東口が、天王寺方面行きのホームの天王寺寄りに西口が設置されており、両ホーム間は跨線橋で結ばれています。トイレは改札内に設けられており、男女別の水洗式です。以前は男女共用でしたが、跨線橋へのエレベーター設置工事に合わせて増改築が行われ、バリアフリーに対応した設備も新たに設置されました。

駅の管理は和泉府中駅が行う直営駅であり、ICカード「ICOCA」の利用が可能で、相互利用対象の他のICカードも利用できます。

利用状況

近年における久米田駅の利用状況を見ると、例えば2022年度の一日平均乗車人員は5,756人でした。当駅は阪和線において快速系統の列車は通過しますが、区間快速が各駅に停車する区間内に位置しており、この区間にある駅の中では最も利用者が多い駅となっています。過去には、1990年度まで同じ岸和田市内の東岸和田駅よりも乗車人員が多く、当時の岸和田市内における最多利用者数の駅でもありました。

駅周辺

駅の周辺は東西で異なる様相を見せています。旧来からの駅舎がある東側は、駅前から久米田寺への参道となっている商店街が東方向へ続いています。一方、近年新駅舎が整備された西側には、駅前広場が設けられ、その先に田畑や住宅地が広がっています。西側から約800メートルほど進むと主要幹線道路である国道26号に至ります。

かつて、駅の南西方向、国道26号付近には春木競馬場が存在しており、阪和電気鉄道の時代には競馬観客輸送のために臨時列車が運行されるなど、活発な利用がありました。しかし、南海鉄道が山手線を運営するようになると競馬輸送は取りやめとなり、その後買収した国鉄でも競馬客輸送は行われませんでした。

バス路線

駅前には統合されたバスターミナルは存在せず、南海ウイングバスの路線が、駅周辺の幹線道路沿いに設けられた複数の停留所から発着しています。主な停留所としては、大阪府道231号春木大町線沿い、大町交差点近くの踏切付近にある「久米田駅前」停留所があり、ここからは東ヶ丘線の和泉中央駅行き（661, 663系統）と岸和田駅前行き（662, 664系統）が、平日の一部時間帯を除く日中におおむね1時間に1本程度の頻度で運行されています。また、大阪府道30号大阪和泉泉南線沿いの久米田駅前交差点付近にも「久米田駅前」停留所があり、こちらは東ヶ丘線の和泉中央駅行き（665系統）と岸和田駅前行き（666系統）が平日のみそれぞれ1本運行されています。さらに、駅から南へ約300メートルほど離れた岸和田市道久米田山滝線沿い、亀井病院やNTT西日本山直ビルの前には「久米田」停留所があり、ここからは牛滝線が発着しています。牛滝線は牛滝山行き（611系統）、白原車庫行き（613系統）、そして岸和田駅前行き（611, 613系統）があり、日中は内畑までが1時間に1本程度の運行ですが、その先の牛滝山行きは1日数本に限られ、他は白原車庫行きとなります。

隣の駅

JR西日本阪和線において、久米田駅に停車する種別は、区間快速と普通列車のみです。関空快速、紀州路快速、快速、直通快速といった速達列車は当駅を通過します。区間快速および普通列車における隣接駅は以下の通りです。

* ■区間快速・■普通
和泉府中駅 (JR-R37) - 久米田駅 (JR-R38) - 下松駅 (JR-R39)

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