二本木駅

二本木駅の概要

二本木駅（にほんぎえき）は新潟県上越市中郷区板橋に位置し、えちごトキめき鉄道と日本貨物鉄道の駅です。この駅の特筆すべき点は、県内の鉄道駅で唯一スイッチバック設備を整えているということです。このため、駅の構造は通常の駅とは異なり、独自の運行方式が採用されています。

歴史

設立と変遷

二本木駅は1911年5月1日に鉄道院の駅として新設され、長い歴史を持つ駅です。1971年12月には専用線発着を除く貨物取扱いが廃止され、その後1984年2月には荷物扱いも廃止されました。国鉄分割民営化が行われた1987年4月には、JR東日本とJR貨物の駅となり、2007年3月30日には貨物列車が最終運行を迎えました。

2015年3月14日には北陸新幹線の延伸に伴い、えちごトキめき鉄道へと移管され、駅が直営化されました。同年11月には旧待合室が改装され、再び利用可能となりました。2018年には駅舎の外観修復が完了し、2019年には登録有形文化財に内定するなど、文化的な価値も高まっています。

駅構造と運営

二本木駅は、島式ホームを1面2線持つ地上駅で、駅舎とは地下通路で繋がっています。この駅は約25パーミルの急勾配が連続しているため、スイッチバックが必要とされています。現在、定期的な停車列車はありませんが、通過列車は当駅を経由せずに通過することができます。

駅業務は新井駅が管理しており、えちごトキめき鉄道の駅員はいません。構内の清掃や運営業務はNPO法人「中郷区まちづくり振興会」に委託されています。駅舎内には自動券売機や飲食店、土産物品店を併設した「さとまる～む」があり、利用者に利便性を提供しています。以前の直営駅時代には出札窓口や定期券の発券業務も行われていましたが、業務委託駅となった現在はそれらは中止されています。

駅舎の特徴

二本木駅の駅舎は、1910年に建築されたもので、修繕を重ねながら利用されています。この建物は妙高はねうまラインで唯一の現存する開業時の駅舎であり、地域の歴史を物語る重要な存在です。駅舎とホームを結ぶ地下通路は1941年から1942年にかけて建設されたもので、戦前に地方で造られたものとしては珍しい価値を持ちます。また、1911年に建てられた木造の「雪囲い」も存在し、その構造には明治時代のレールを再利用した部分が見られます。2018年には駅舎外観の復元が行われ、古い漆喰壁が再現されるなど、地域の文化的資産としての位置付けが強化されています。

利用状況と周辺環境

2023年度の1日平均乗車人員は82人と比較的少人数での利用があります。駅周辺には八重桜が植えられ、春には美しい花が咲き乱れ、多くの住民に愛される場所として親しまれています。

駅前は主に住宅街で構成されており、商店や旅館も点在しています。西側には日本曹達の二本木工場があり、歴史的な背景と並行して地域の産業の一端を担っています。また、駅周辺には新潟県道344号坂本新田新井線やバス路線が通っており、交通の便も整えられています。

まとめ

二本木駅は、新潟県内で唯一スイッチバック設備を持ち、独自の歴史と文化的価値を有しています。地域の人々にとって重要な交通拠点であり、今後も地域振興と観光の促進に貢献することが期待されています。

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