五島美術館

五島美術館の概要

五島美術館（ごとうびじゅつかん）は、東京・世田谷区上野毛に位置する美術館で、1960年の開館以来、日本や東洋の古美術品を中心に約5000点を所蔵しています。中でも、国宝の『源氏物語絵巻』や重要文化財に指定されている作品が数多く、訪れる人々にその歴史的価値を伝えています。この美術館は公益財団法人五島美術館によって運営されており、同法人は大[[東急]]記念文庫の管理も行っています。

開館の背景

五島美術館は、東京急行電鉄を創設した実業家・五島慶太の美術コレクションを保存し展示するために設立されました。五島の死後1年目にあたる1960年に、京浜急行電鉄や小田急電鉄、京王電鉄の出資で開館したのです。五島は「古経楼」と名付けられた自身のコレクションに情熱を注ぎ、奈良時代の古写経などから始まり、後には書跡や陶磁器、絵画まで手に入れました。名品の入手には並々ならぬ執念を見せた五島は、多くの古美術品を集め、特に『源氏物語絵巻』は戦前の大収集家・益田孝のものでした。

美術館の建築と庭園

美術館の敷地は五島邸の一部で、約6000坪の広大な土地に建物と庭園が広がっています。建物は建築家・吉田五十八によって設計され、寝殿造の様式を取り入れた現代建築です。特に色合いにこだわり、完成までに60日を費やしたとされています。1961年には建築業協会賞を受賞し、注目される建築物となります。また、庭園内には伊豆や長野に由来する石仏が配置され、散策路には明治時代に建てられた茶室「古経楼」などが存在します。

常設展示と企画展

美術館の展示室は2室あり、常設展示は行われていませんが、定期的にさまざまな企画展が開催されています。常設展示としては、重要文化財に指定されている「木造愛染明王坐像」が観覧でき、訪問者に貴重な体験を提供しています。

大[[東急]]記念文庫との関連

美術館の同じ住所には、五島が設立した大[[東急]]記念文庫があります。この文庫は、戦後の東京急行電鉄の資産を基に設立されたもので、2011年に五島美術館に吸収合併されました。文庫には約2万5千点の古典籍が所蔵されており、国宝や重要文化財も含まれています。文庫の資料は一般公開されていませんが、美術館の展示を通じて一部が紹介されています。

開館50周年の改修工事

五島美術館は開館50周年を迎えるにあたり、2010年から2012年までの間に大規模な改修工事を実施しました。この工事では耐震補強や館内設備の刷新が行われ、新たに集会室も増設されました。この改修工事は2013年度のグッドデザイン賞を受賞し、変わらぬ魅力を誇り続けています。

収蔵する国宝と重要文化財

五島美術館は、その収蔵品の多くが国宝や重要文化財として認定されています。特定の作品としては、古書や絵画、彫刻、陶器などがあり、これらは美術館訪問の際に直接観賞できる貴重なアイテムです。また、美術館は新たなコレクションも目指して活動を続け、今後も多くの人々にその価値を伝えていくことでしょう。

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