今いくよ・くるよ

今いくよ・くるよ：漫才史に輝く女性コンビの軌跡

今いくよ・くるよは、昭和後期から平成後期にかけて活躍した、日本を代表する女性漫才コンビです。吉本興業に所属し、高校時代からの同級生という間柄で、数々の賞を受賞するなど、女性漫才コンビの先駆けとして、大きな成功を収めました。

今いくよ（1947年12月3日 - 2015年5月28日）

本名、里谷正子。京都府京都市出身。A型。痩せ形で厚化粧が特徴的でした。長く美しいまつげを持ち、パチパチと瞬きをしたり、首筋を掻いたりする仕草が独特で印象的でした。

2014年9月に胃がんのため休業、同年12月に復帰しましたが、翌2015年5月28日、67歳で永眠。生涯独身でした。最後の舞台となったなんばグランド花月（NGK）での様子は、テレビ番組『桃色つるべ〜お次の方どうぞ〜』で放送されました。亡くなる数日前まで、看護師から名前を呼ばれると「里谷正子、28歳です！」とギャグを飛ばすなど、最後まで持ち前の明るさを失いませんでした。真言宗の信徒で、戒名は「萬華院喜香正蓮大姉」です。

今くるよ（1947年6月17日 - 2024年5月27日）

本名、酒井スエ子。京都府京都市出身。A型。6人兄弟の末っ子として育ちました。OLを経て漫才師の道へ進みます。芸風とは裏腹に、私生活では物静かな人柄でした。

1980年代には多忙を極め、47都道府県全てで公演を行うほどでした。派手な衣装で知られていましたが、その衣装は専属デザイナーによる手作りで、1着数十万円もすると言われました。独特の衣装の始まりは、倉敷市民会館での公演で衣装を忘れてしまい、会館にあったカーテンをアレンジして舞台に立ったことがきっかけ。これが好評だったため、以降派手な衣装を身に着けるようになりました。

くるよさんの持ちギャグは、お腹を叩いたり、両手を顔の前で交互に前後に動かしたり、「どやさ」と言ったりすること。その独特の仕草は、中川礼二さんによってよくモノマネされています。2015年には大阪市市民表彰を受賞。2024年5月27日、76歳で膵臓がんで亡くなりました。生涯独身でした。いくよさんの命日とわずか一日違いでした。

コンビとしての活動

京都明徳高等学校（当時：明徳商業高等学校）時代、2人ともソフトボール部に所属していました。いくよさんがセンター（キャプテン）、くるよさんがマネージャー（当初はキャッチャー）でした。3年生時には全国大会で準優勝という成績を収めています。

1970年、OLを辞め、島田洋之介・今喜多代に弟子入り。下積み時代を経て、1980年、『花王名人劇場』でブレイク。以降、テレビやラジオへの出演依頼が殺到し、人気漫才コンビとなりました。1984年には上方[[漫才大賞]]、1988年には花王名人大賞を受賞するなど、1980年代を代表する女性漫才コンビとして活躍しました。

関西国際空港開港時には、伊丹空港発の最後の国際線から関空到着第1便に乗るという企画にも参加しました。2006年には『笑っていいとも！』のテレフォンショッキングに出演。2009年にはくるよさんが心筋梗塞で倒れましたが、その後復帰を果たしました。

いくよさんの死後、くるよさんはピン芸人として活動。中川家とユニットを組んで活動する時期もありました。最後の舞台出演は2022年4月、なんばグランド花月の吉本興業創業110周年特別公演でした。2023年には、桂吉朝と共に上方演芸の殿堂入りを果たしました。

芸風

いくよさんの痩せ形とくるよさんのふくよかな体型、2人の容姿をネタにするコントが特徴的でした。しかし、他人に対して悪口を言うことはほとんどなく、老若男女に愛されるコンビでした。40年以上に渡る深い友情と素晴らしいコンビネーションで、多くの人を魅了しました。

いくよさんの厚化粧や、くるよさんの衣装がずれるという展開も漫才の定番でした。外見からはいくよさんがツッコミ、くるよさんがボケというイメージを持たれがちですが、実際は逆で、いくよさんがボケ、くるよさんがツッコミというスタイルでした。

持ちネタ

ソフトボール部時代のエピソードや、師匠である島田洋之介・今喜多代とのエピソードなどをネタにした掛け合い漫才が有名です。OL時代のエピソードや、くるよさんの派手な衣装をネタにしたコントも人気でした。

人間関係

後輩芸人への面倒見が良く、中川家やレギュラー、ジェットコースターらと親交がありました。毎年3月3日には、吉本所属の女性芸人を集めた親睦会を開催していました。

出演番組・作品

数々のテレビ番組、ラジオ番組、映画、CM、ゲームなどに出演。幅広い分野で活躍しました。

まとめ

今いくよ・くるよは、持ち前の明るさと深い友情、そして類まれな才能で、日本の漫才史に大きな足跡を残しました。彼女たちの漫才は、多くの人々に笑いと感動を与え続け、その功績はこれからも語り継がれていくでしょう。2024年にくるよさんが亡くなり、コンビとしての活動は幕を閉じましたが、彼女たちの輝かしい功績は、多くの人々の記憶の中に永遠に生き続けることでしょう。

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