伊豆アニマルキングダム

伊豆アニマルキングダムは、静岡県賀茂郡東伊豆町稲取に位置する、動物園、遊園地、自然公園の複合施設です。旧伊豆バイオパークをリニューアルし、2010年に現在の名称となりました。地元では「アニキン」の愛称で親しまれています。

歴史

1977年10月、伊豆急行によって「伊豆バイオパーク」として開園しました。その後、2005年に伊豆急不動産へ、2007年には加森観光へと運営が移管されました。2010年4月29日には、大幅なリニューアルを経て、名称を「伊豆アニマルキングダム」に変更。このリニューアルで、新たに17匹の動物が加わり、飼育される動物は60種約600匹にまで増加しました。

施設概要

リニューアルでは、ホワイトタイガーをはじめ、ライオンやチーターなどの猛獣が新たに導入されました。施設全体では、肉食動物と草食動物を合わせて45種、鳥類21種の計66種、約600匹の動物が展示されています。また、時間限定で動物の赤ちゃんが公開されることもあります。

リニューアルによって来場者数は2倍に増加し、東伊豆町の新たな観光資源として期待されています。サファリバスは廃止され、450メートルのウォーキングサファリ形式に変更されたことで、より間近に動物たちを観察できるようになりました。

園内には、5000坪の広さを誇る梅園もあり、梅の開花時期には梅祭りが開催されます。

展示

園内は、アニマルゾーン、ウォーキングサファリゾーン、プレイゾーン、スポーツゾーンなどに分かれており、さまざまな動物やアトラクションを楽しめます。

- ウォーキングサファリゾーン：ホワイトタイガーの他、ライオン、チーター、キリン、ゾウ、シマウマ、サイなどが展示されています。ガラス越しに猛獣を観察できる「猛獣展示場」も人気です。

- わくわくふれあい広場：ミニウサギ、モルモット、カピバラなどの小動物と触れ合える他、アルマジロやハリネズミとも触れ合うことができます。

- アニマルゾーン：キリンやペリカンに餌を与える体験ができます。また、ホワイト[[ライオン]]も飼育されており、2012年生まれの「パール」の成長記録は公式ホームページで公開されています。

- シロオリックス：絶滅危惧種に指定されているシロオリックスの繁殖にも力を入れています。2013年には、仔が誕生しました。

- シマウマ：グラントシマウマの「アース」が、餌をねだる際に口を大きく開けるユニークな仕草で人気を集めています。飼育員によると、アースは他のシマウマよりも食欲旺盛で知恵があるとのことです。

- ゾウ：アフリカゾウの「オシー」は、健康管理のために口の中を見せる際、舌を出す癖があります。この様子が新聞で「ゾウさんがアカンベー」と紹介され、話題になりました。

繁殖

伊豆アニマルキングダムでは、さまざまな動物の繁殖にも力を入れています。

- マタコミツオビアルマジロ：2012年に仔が誕生し、人工哺育で育てられました。マタコミツオビアルマジロは、危険を感じると体を丸めることができますが、園内では人に慣れているため、丸くなることは少ないようです。

また、旧伊豆バイオパーク時代には、以下の動物で繁殖賞を受賞しています。

- ゲムズボック（1981年）
- ブレスボック（1983年）
- ミツオビアルマジロ（2004年）

梅園

園内には約1000本の梅の木が植えられた梅園があり、2月中旬から見頃を迎えます。梅の開花時期には「うめまつり」が開催されます。

エピソード

- 2012年には、写真展「こどもの情景原風景を求めて」で、林隆喜氏が1986年に撮影した伊豆バイオパークの写真が出展されました。
- レストラン「アニマルキングダム」は、ガラス越しにホワイトタイガーを見ながら食事ができる珍しいレストランとして、ナショナルジオグラフィック誌にも掲載されました。
- プレイゾーンには、大観覧車やスカイジェットなどの遊具があります。大観覧車は全高40m、海抜420mで、1992年に設置されました。
- ドングリポストが設置されており、来園者が園内で拾ったドングリをアライグマなどの動物の餌として提供できます。
- 旧伊豆バイオパーク時代には、「伊豆戦士☆バイオレイザー」というローカルヒーローが存在していました。
- 2014年には、飼育されていたミナミコアリクイが一時行方不明になり、後に保護されるという出来事もありました。
- 閉園したスペースワールドの遊具の移設が計画されています。

伊豆アニマルキングダム