余部駅

余部駅：姫新線の要衝

概要

兵庫県姫路市青山北一丁目に位置する余部駅は、西日本旅客鉄道（JR西日本）姫新線の駅です。姫路駅からわずか6.1kmという短い距離ながら、網干総合車両所余部派出所への車両の入出庫を目的とした区間列車が運行されています。駅名の由来は、駅建設当時の所在地であった飾磨郡余部村に遡ります。なお、姫路市域には「余部区」という地名がありますが、余部駅はそこから約9km離れた場所にあり、両者は関係ありません。山陰本線の餘部駅とは漢字表記と読み方が異なるため、混同を避ける必要はありません。

歴史

余部駅は1930年9月1日、鉄道省姫津線の終着駅として開業しました。その後、姫津線の延伸や路線名称変更を経て、姫新線の一部となります。1961年には貨物取扱いを、1971年には荷物取扱いを廃止し、無人駅となりました。1987年の国鉄分割民営化によりJR西日本へ移管され、その後は駅舎の改修や駅前広場の整備、ICOCAの導入など、利用者の利便性向上のための改良が重ねられました。近年ではみどりの窓口の営業終了と終日無人化が予定されています。

駅構造

余部駅は相対式ホーム2面2線を有する地上駅で、列車交換が可能です。配線は1線スルーではなく、安全側線が設置されています。ホーム間は構内踏切で連絡しており、跨線橋はありません。駅舎は木造で、窓口、待合室、自動券売機などが備えられています。特徴的なのは、構内踏切が駅裏手まで伸びており、駅舎を通らず直接ホームへ出入りできる点です。2009年にはみどりの窓口が開設され、2016年にはICOCAが利用可能となりました。近年、キハ122・127系車両に対応したホーム改造工事が行われています。

利用状況

2021年度の1日平均乗車人員は約2055人と、姫新線では姫路駅に次いで多く、単独駅としては最多です。近年は利用者の増加傾向が見られます。

駅周辺

余部駅の南東約700mには夢前川と菅生川が合流しています。駅周辺は、姫路市都市計画マスタープランにおいて姫路駅を主核とした西部地区の地域核として位置付けられています。駅周辺には、兵庫県立大学姫路工学キャンパス、兵庫県立姫路飾西高等学校、ひめじ運転区、網干総合車両所余部派出所などがあります。交通アクセスは、神姫バスが駅前に乗り入れています。

アクセス

最寄りのバス停は「余部駅前」です。神姫バス33～35系統が利用可能です。

隣の駅

西日本旅客鉄道（JR西日本）姫新線
播磨高岡駅 - 余部駅 - （余部信号場） - 太市駅

まとめ

余部駅は、姫新線において重要な役割を担う駅です。短い路線距離ながら、車両基地へのアクセスを担い、地域住民の生活を支える重要な交通拠点となっています。歴史と現代が調和した駅舎や、周辺の豊かな自然環境も魅力の一つです。今後も地域社会の発展に貢献していくことが期待されます。

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