俵美術館

俵美術館：江戸の美と技が息づく工芸の殿堂

兵庫県芦屋市に佇む俵美術館は、日本でも類を見ない、江戸時代の筆記用具「矢立」を専門に扱う美術館です。重厚な石像が迎える館内には、1500点以上もの矢立コレクションが眠り、その中から約150点が常設展示されています。

矢立の世界：単なる筆記具を超えた芸術

矢立とは、江戸時代の文人たちが愛用した携帯式の筆立てのこと。墨や筆を収納する実用的な道具であると同時に、七宝や蒔絵といった高度な装飾技術を駆使した、まさに芸術品とも呼ぶべき存在です。俵美術館では、様々な素材や装飾を施された矢立の数々を見ることができます。漆黒の輝きを放つ漆器、繊細な金銀の装飾が施された蒔絵、鮮やかな色彩が美しい七宝など、その多様性と精緻な技術に圧倒されることでしょう。単なる筆記具としてだけでなく、当時の文人たちの審美眼や文化レベルの高さを窺い知ることができる貴重な資料となっています。

矢立だけではない、江戸時代の工芸品の数々

俵美術館の所蔵品は、矢立だけにとどまりません。根付、目貫、煙草入、髪油壺など、江戸時代の生活に密着した様々な工芸品が展示されています。これらを通して、当時の庶民の暮らしや文化、そして高度な職人技を垣間見ることができます。各作品には、詳細な解説が添えられており、鑑賞をさらに深めることができます。

アクセスと周辺情報

美術館は阪急神戸本線芦屋川駅から徒歩2分、JR神戸線芦屋駅から徒歩10分と、交通アクセスも良好です。周辺には芦屋市立美術博物館、虚子記念文学館、芦屋市谷崎潤一郎記念館、滴翠美術館、ヨドコウ迎賓館、エンバ中国近代[[美術館]]など、多くの文化施設があり、一日かけて芦屋の文化に触れる旅を楽しむことができます。

開館時間と休館日

開館時間は午前10時～午後5時（入館は午後4時30分まで）です。休館日は月曜日（祝日の場合は翌日）、夏季（7月11日～8月10日）、冬季（12月11日～1月10日）です。事前にホームページで確認することをお勧めします。

公益財団法人による運営

俵美術館は、公益財団法人俵美術館（2012年3月までは財団法人）によって運営されています。開館以来、日本の伝統工芸の保存と普及に貢献し続けており、博物館法に基づく兵庫県教育委員会登録博物館、日本博物館協会会員館にも登録されています。また、ひょうごっ子ココロンカードの対象施設にもなっています。

まとめ

俵美術館は、単なる美術館としてだけでなく、日本の伝統工芸の素晴らしさを伝える貴重な場所です。江戸時代の芸術と文化に深く触れたい方、静かな空間で日本の美を堪能したい方にとって、まさに最適な空間と言えるでしょう。芦屋を訪れた際には、ぜひ足を運んでみてください。

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