八仙

八仙について

八仙（はっせん）は道教の仙人の中でも特に著名な存在であり、中国の広範な地域で信仰されています。道教の教えに基づく彼らの存在は、中華圏の様々な社会階層に受け入れられ、多くの人々に親しまれています。この概念は、日本の七福神に似た性質を持ち、例えば掛け軸や陶磁器などの芸術作品では、彼らが描かれることが一般的です。

八仙のメンバー

八仙のメンバーは時代の変遷により異なってきましたが、小説『八仙東遊記』が完成して以来、次の八人が固定されているとされています：

1. 李鉄拐（りてっかい、リーテッグァイ） - 賤
2. 漢鍾離（かんしょうり、ハンツォンリー） - 富
3. 呂洞賓（りょどうひん、ロイドンピン） - 男
4. 藍采和（らんさいか、ランツォイウォー） - 貧
5. 韓湘子（かんしょうし、ハンシャンツー） - 少
6. 何仙姑（かせんこ、ホウシングー） - 女
7. 張果老（ちょうかろう、チャングォロウ） - 老
8. 曹国舅（そうこっきゅう、ツォウゴッカウ） - 貴

この八人の中で、李鉄拐、漢鍾離、呂洞賓、藍采和、韓湘子はあらゆる戯曲作品に常に登場し、その時々によって何仙姑、張果老、曹国舅が加わったり、時に張四郎や徐神翁などが含まれることもあります。

八仙の象徴

それぞれの八仙は、特定の法器を持っており、これらは「暗八仙」と呼ばれる象徴として図案化されています。それぞれの法器には以下のようなものがあります：

• - 葫蘆（瓢箪） - 李鉄拐の象徴
• - 芭蕉扇 - 漢鍾離の象徴
• - 剣 - 呂洞賓の象徴
• - 花籃（花かご） - 藍采和の象徴
• - 笛 - 韓湘子の象徴
• - 蓮の花 - 何仙姑の象徴
• - 魚鼓（楽器の一種） - 張果老の象徴
• - 玉板（玉製の板） - 曹国舅の象徴

八仙東遊記

八仙に関連する文学作品の一例として、小説『八仙東遊記』があります。これは明代の呉元泰によって作られた作品で、戯曲『八仙過海』に着想を得ています。この小説は全五十六回から成り、前半部分では八仙の得道の物語が展開され、後半では彼らが東海を渡る最中に四海龍王との間に起こる軋轢が描かれています。

物語は、ある日、八仙たちが西王母の宴に出席し、蜃気楼を見るために東海へと向かうところから始まります。しかし、途中で藍采和の玉版が東海龍王の太子に盗まれ、藍采和は捕らえられてしまいます。呂洞賓が龍王に立ち向かい、藍采和を解放させるものの、玉版は戻されません。

八仙たちは龍宮に押し寄せ、そこで呂洞賓が龍王の太子たちを攻撃した結果、龍王は軍を差し向け、彼らを討伐しようとします。八仙もこれに応じ、激戦となりますが、結局彼らは敗北します。しかし、八仙が海に泰山を落としたため、龍王たちもまた敗北し、天帝に八仙の行為を訴えることになります。最後には、天界側から四人の元帥が派遣され、騒動はさらに大きくなっていくのです。

このように、八仙はただの神話的存在に留まらず、中華文化において重要な象徴となっています。彼らの物語は伝承され、今でも多くの人々に影響を与え続けています。

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