八千穂駅

八千穂駅：小海線の静かな駅舎と豊かな自然

八千穂駅は、長野県南佐久郡佐久穂町に位置するJR東日本小海線の駅です。標高約800mの場所にあり、周囲は豊かな自然に恵まれた環境となっています。駅舎は木造建築で、歴史を感じさせる落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

歴史を刻む駅舎

1919年（大正8年）、「佐久穂積駅」として開業しました。当初は旅客と貨物の取り扱いを開始し、地域の経済活動を支える重要な役割を担っていました。その後、1959年（昭和34年）に現在の「八千穂駅」に改称されました。開業以来、幾多の時代変遷を乗り越えて現在に至っています。

特に、1933年（昭和8年）に発生したガソリンカーの逸走事故は、駅の歴史において特筆すべき出来事です。小海駅から無人で暴走したガソリンカーは、八千穂駅に停車中の学生満員のガソリンカーと衝突する寸前に、駅員の機転で側線へ誘導されました。結果、駅舎に激突するものの、大事には至りませんでした。この事故は、当時の鉄道運行の状況や人々の対応を知る上で貴重な資料となっています。

貨物輸送の廃止や国鉄民営化を経て、現在ではJR東日本の駅として運営されています。2020年には、地方交通線向け列車制御システムの導入に伴い、交換設備が廃止され、現在の単式ホーム1面1線の駅となりました。

駅舎と周辺環境

八千穂駅は単式ホーム1面1線の地上駅で、かつては相対式ホーム2面2線でした。木造駅舎は、古き良き時代の面影を残す貴重な建造物です。現在では、佐久穂町が窓口業務を受託する簡易委託駅として機能しています。

駅周辺は、旧八千穂村の中心地であり、かつての村役場や小中学校などの公共施設が近接しています。また、千曲川の河岸段丘を利用した東京電力の穂積発電所も駅近くにあります。奥村土牛記念美術館や黒澤酒造（清酒井筒長）、篠屋旅館など、観光客にも魅力的なスポットが点在しています。千ケ日向総合グラウンドも近くにあります。

駅からは、千曲バス白駒線が運行されており、佐久平駅や麦草峠へのアクセスも可能です。運行期間は5～10月の土休日を中心とした季節運行で、年間を通してのアクセスは容易ではありません。

利用状況と今後の展望

JR東日本によると、2023年度の1日平均乗車人員は約72名です。利用客数は年々変動していますが、地域住民にとって重要な交通手段として機能しています。

八千穂駅は、周辺地域の自然環境と歴史を肌で感じることができる駅です。今後、地域の活性化や観光客誘致に貢献していくことが期待されます。静かな山里に佇む木造駅舎は、多くの利用者にとって癒やしの空間となっているでしょう。

隣の駅

高岩駅
海瀬駅

脚注

特に記載事項はありません。

関連項目

日本の[[鉄道駅]]一覧

外部リンク

駅の情報（八千穂駅）：JR東日本

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